バレイショ栽培における自動混合型防除機を用いた少量散布


[要約]

[キーワード]

[担当]北海道農研・生産支援システム研究北海道サブチーム
[代表連絡先]電話011-857-9260、電子メールseika-narch@naro.affrc.go.jp
[区分]北海道農業・水田・園芸作
[分類]技術・参考


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. チューブポンプ式自動混合機構では予備希釈した薬液と水をそれぞれ別タンクに保持し、散布時に薬液を80〜120倍(標準100倍)に希釈して散布する(図1)。混合比の変動幅は、カルフェントラゾンエチル(乳剤)散布(散布量:25L/10a、希釈倍率:125倍、作業速度:3.8km/h、設定圧:0.54MPa)の場合で平均値±5%である。
  2. 試験に使用した自動混合型ブームスプレーヤー((株)共立製:BSM1303S-MX)は、容量18Lの薬液タンクと1300Lの水タンクを搭載する(図2)。試験機の自動混合機構により、18Lの薬液で最大2160L分の散布液の希釈が可能となり薬液調製回数を削減できる。さらに、作業後の洗浄は薬液タンクのみで、洗浄水の節約とタンク洗浄作業を省力化できる。
  3. 試験機は速度連動散布水量制御機能により、車速に応じて散布水量を制御可能である。散布量制御誤差は少量散布、通常散布ともに設定値±5%以内である。
  4. バレイショ生産において少量散布可能な薬剤の選択により、散布量を慣行の100L/10aから25L/10aに低減した防除設計が可能である(表1)。
  5. 少量散布により一回の給水での作業面積が4倍となり、水補給のための空走間(北農研の試験では1回約30分)を1/4にできる。北農研試験機では作業速度4.3km/h の条件で1回の給水により5.2haを約40分で散布可能である。
  6. 殺虫剤、除草剤(土壌処理剤)の雑草抑制効果及び生育調節剤による茎葉枯凋処理の少量散布による効果は慣行散布と差がない(表2)。また収量についても、差異は認めらない。

[成果の活用面・留意点]

  1. 少量散布では作物の繁茂量が大きいと、薬剤の種類によって防除効果が劣ることがあるので、浸透移行性の高い防除剤を選択する。
  2. 自動混合装置は、水タンク容量6000Lの牽引式スプレーヤーまで適応可能である。
  3. 殺菌剤については、病害の発生が認められず効果は明らかではない。

[具体的データ] 

[その他]




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