道北強粘質転換畑におけるチゼル耕を導入した作付体系モデル


[要約]

[キーワード]

[担当]道立上川農試・技術普及部、道立中央農試・生産研究部・機械科
[代表連絡先]電話0166-85-2200
[区分]北海道農業・水田・園芸作
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. チゼル耕後にロータリ砕土を行うとプラウ耕後の砕土に比べ砕土率が高くなり、耕起後の砕土作業回数を1回削減できる()。チゼル耕ではプラウ耕による耕起・砕土 体系に比べ、作業時間は約3割、燃料消費量は約2割削減が可能である。
  2. 作物収量を見ると、プラウ耕とチゼル耕による収量差はみられず、大豆、春まき小麦、秋まき小麦は転換1年目、スイートコーン、かぼちゃは転換2年目からそれぞれ導入可能であり、またプラウ耕とチゼル耕による収量差はみられない。はくさいは乾燥条件と堅密な土壌に弱く、晩春まきの平畦・無マルチ栽培では転換4年目からプラウ耕を実施した上で導入可能である(表1)。
  3. 転換年数の経過による土壌乾燥と物理性改善により、作土下部の保水性や透水性が向上し、透水係数は2オーダー程度高まるが、有効水分の増加は小さい(図表略)。耕起法別には概ねプラウ耕>チゼル耕>ロ−タリ耕の順に気相率の増加傾向が認められ る。大豆収量に影響を及ぼした要因は土壌物理性の向上と作土層の熱水抽出性窒素等 の化学性の変化であるが、これらの要因でプラウとチゼル間の差は認められない。大 豆の出芽・スタンド数確保に必要な土塊径2cm以下の砕土率は70%程度である。
  4. 上記実証事例を組み入れた経営モデルの試算から、大規模専業経営にチゼル耕を導入すると、プラウ耕(慣行)に比べ規模拡大がはかられ所得が増加するとともに、転作助成措置への依存割合も減少し経営の安定化がすすむ。この効果は転作物の生産性向上 によりさらに増大する(表3)。中規模専業経営に転換2年目から野菜を作付する体系では、転換3年目から野菜を導入す場合(慣行)に比べ所得の増加と転作助成措置へ の依存割合が低下し、経営はより安定する(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 強粘質転換畑が分布する塩狩峠以北の水田・転作複合経営における技術指針となる。

平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「道北強粘質転換畑における耕起法を組み合わせた作付体系モデル」(普及推進)

[具体的データ]

[その他]




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