みなづきの生育特性及び栽培法
[要約]
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本格的な採花は定植3年目以降で、8月中〜下旬に白花が開花し、9月下旬に淡桃色、10月上〜中旬に濃赤色に変化する。秋に高めに切り戻すことで翌年の切り枝の花房が小型化し、開花期以降の遮光処理で花房のグリーン化が可能であり、切り花需要の拡大に有効である。
[キーワード]
- みなづき、切り戻し位置、花房小型化、遮光、花房グリーン化
[担当]道立花野技セ・研究部・花き科
[代表連絡先]電話0125-28-2800
[区分]北海道農業・水田・園芸作
[分類]技術・普及
[背景・ねらい]
- 栽培管理が容易な切り枝品目みなづき(ノリウツギの園芸品種)について、定植後4年間にわたる生育特性を把握すると共に、花房の小型化、遮光によるグリーン化及び品質保持技術を検討し、生産の安定と道産花きとしてのブランド化を図る。
[成果の内容・特徴]
- 白花が8月中旬〜下旬に開花し、9月下旬に花房が淡い桃色に変化し、10月上〜中旬に濃い赤色に変化する(表1)。
- 本格的な採花は定植3年目以降であり、収量は定植3年目で15本/株、4年目で25本/株である。着色花で採花する場合、粗収益から経営費を差し引くと定植後3年目で53千円/a、4年目で105千円/a(表1)、また労働作業は定植3年目で32時間/a、4年目で53時間/aとなる。
- 前年秋の切り戻し位置を30cmにすることで慣行の地際切り戻しより花房が小型化し、M規格の切り花が増加する。毎年30cmで切り戻した場合、地際で切り戻した場合より花房は小さくなるが収量は減少する(表2)。このため、地際と30cmで切り戻す株を準備し、隔年で切り戻し位置を変えることにより規格別収量の偏りを軽減することが可能であると考えられる。
- 開花期以降雨よけハウスに遮光率約80%の遮光ネットで覆うことにより9月下旬に白花が淡いグリーンに変化する(表3)。
- 市販の切り枝用前処理剤では著しい花持ち延長効果は認められない。前処理温度については20℃では花持ちが短くなる傾向が見られたが10〜15℃では差は認められない。
- 以上よりみなづきの栽培体系を図1に示す。
[成果の活用面・留意点]
- みなづき栽培導入時の参考とする。
- 本試験は道央地域における結果である。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「みなづきの生育特性及び栽培法」(指導参考)
[具体的データ]
[その他]
- 研究課題名:山野草商品化促進事業
予算区分:農政部事業(北の花産地ネットワーク整備事業)
研究期間:2003〜2007年度
研究担当者:高濱雅幹
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