AHP(階層分析法)による大規模畑作経営の技術開発ニーズの評価


[要約]

[キーワード]

[担当]北海道農研・北海道農業経営研究チーム
[代表連絡先]電話011-857-9260、電子メールseika-narch@naro.affrc.go.jp
[区分]北海道農業・畑作
[分類]技術・参考


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. AHPのための技術開発ニーズの抽出と評価階層構造の定式化
    十勝地域のJA4機関のヒアリング調査から十勝畑作地域に共通する技術開発ニーズ(作物毎に5項目)を抽出し、それらの重要度を評価するため、収益性と省力化を評価基準にもつ評価階層構造を定式化すると図1のようになる。
  2. AHP(階層分析法)による大規模畑作経営の技術開発ニーズの把握
    畑作4品目を基幹作物とする大規模経営(表1、A経営:十勝中央部の大規模家族経営、B経営:十勝中央部でも立地・圃場条件のやや劣る地域に立地し、家族経営の限界規模を超える家族経営、C経営:十勝山麓部で経営規模100haを超える雇用型法人経営)における作物毎の技術開発ニーズの重要度は表2のとおりである。
    1)てん菜では、防除回数減少による省力化、低コスト化の期待から「褐斑病抵抗性品種」開発へのニーズが大きい。また直播は省力化の効果が認識されつつも、気候条件の不利なB経営やC経営では風霜害による収量リスクへの不安が大きく、「育苗ポットの軽量化」など移植での省力化の方が望まれている。
    2)ばれいしょでは、そうか病が収益性の低下だけでなく、選別作業の負担増、収穫の効率低下に直結することから、「そうか病抵抗性品種」の開発に対するニーズが大きい。また同じような理由で、「歩留まり向上のための栽培技術」や「打撲損傷の少ない高速ハーベスタ」へのニーズも大きい。
    3)小麦については、気候条件の不利な圃場も抱えるA経営、およびC経営で「低収地域に適した品種」の開発が望まれている。また、収量や品質に関連して天候リスクに対応しうる「施肥技術の改善」が望まれている。
    4)豆類では「高収量・安定した収量の品種」の開発に対するニーズが大きい。また、収穫に関わって「高水分時でも可能」な「汎用コンバイン収穫技術」の開発が望まれている。これは収穫時期における降雨が汚粒、色流れを発生させ、同時に作付拡大も制約しているためである。

[成果の活用面・留意点]

  1. 活用にはサンプル経営との相違(地域や作物構成等)に留意する必要がある。

[具体的データ]

[その他]

 



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