ダイズシストセンチュウ発生圃場に抵抗性品種を効果的に導入するための簡易判定法
[要約]
-
抵抗性の異なる大豆4品種を封入したシードテープを直接発生圃場に設置し、そのシスト寄生反応から、各ダイズシストセンチュウ抵抗性品種の有効性が簡易に判定できる。
[キーワード]
- ダイズシストセンチュウ、シスト寄生反応、抵抗性品種、シードテープ
[担当] 道立中央農試・技術体系化チーム、道立道南農試・技術体系化チーム
[代表連絡先] 電話 0123-89-2284
[区分] 北海道農業・畑作
[分類] 技術・普及
[背景・ねらい]
- ダイズシストセンチュウの優占レースは、これまで生産現場では直接把握できず抵抗性品種の選択による効果的な被害対策の策定は難しかった。そこで、土壌を移動せず発生圃場で簡易にシスト寄生反応を調査するシードテープ法を開発し、これによる生産現場の実態解明を行うとともに、抵抗性品種の効果的導入と今後の抵抗性品種の開発に資する。
[成果の内容・特徴]
- 抵抗性遺伝資源の異なる「スズマル」、「ユキシズカ」、「トヨコマチ」、「スズヒメ」を判定品種し、シスト寄生反応から求めた評価区分(R3、R3g、R3p、Rgp、R?)と大豆品種の導入適否基準を表1のとおりに策定する。
- 判定品種を各10粒封入したシードテープを調査圃場に植え付けるシードテープ法は、取り扱いが容易で発生土壌の拡散がなく防疫上有効である、少ない労力で調査可能である、現地圃場で夏期までに判定可能などの長所がある(表 2)。
- 2005〜2007年に道央・道南の7支庁16市町村を対象とする実態調査の結果、全体(75圃場)の61%(46筆)で寄生している。評価区分別では、R3が52%、Rgpが26%、R3gが15%、R?が4%、R3pが2%の順に高い。レース3抵抗性品種に寄生反応を示す圃場(R3g、R3p、Rgp、R?)は、発生圃場全体の48%(22筆)である(表 3)。
[成果の活用面・留意点]
- 線虫の発生は圃場内で局在するため、発生場所の記録をもとにシードテープを設置する。
- 判定結果が判然としない場合は、再調査の実施とともに専門機関と協議する。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
※「ダイズシストセンチュウ発生圃場に抵抗性品種を効果的に導入するための簡易判定法」(普及推進)
[具体的データ]
[その他]
- 研究課題名:緑肥を導入した畑輪作による線虫被害低減効果の実証、1)羊蹄山麓地域における線虫被害の実態調査
予算区分:国費補助(革新的技術導入促進事業)、指定試験
研究期間:2005〜2007年度
研究担当者:田中義則、飯田修三(道立中央農試)、水越 亨(道立道南農試)
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