小麦胚芽を用いたγ-アミノ酪酸(GABA)の効率的生産法


[要約]

[キーワード]

[担当]北海道農研・野菜・茶機能性研究チーム、機能性利用研究北海道サブチーム、パン用小麦研究チーム、寒地地域特産研究チーム、寒地バイオマス研究チーム
[代表連絡先]電話011-857-9260、電子メールseika-narch@naro.affrc.go.jp
[区分]北海道農業・畑作、野菜茶業・野菜品質・機能性
[分類]研究・参考


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. GABA生成率は市販小麦胚芽が99.7%と最も高く、次いで小ブスマ94.3%、米ぬか69.7%である。GABAの生成量はグルタミン酸量に依存し、100 g/l(グルタミン酸Naとして114.9 g/l)添加することによって、66.2 g/lのGABAが得られる。またGABAの生成量はピリドキサルリン酸量に依存し、100 mg/l以上添加することによって、99%以上の生成率が得られる(表1)。
  2. 小麦胚芽中のGABA合成酵素活性は反応液pH5.8で最も高く、反応温度40℃で最も高い(表2)。
  3. GABAの生成率は反応3〜4時間でほぼ100%となり約45 g/lのGABAが得られる。その後、生成率はほぼ100%を維持するが反応7時間以上では反応液の酸化、雑菌の増殖等による反応液の色、風味の劣化が起こる(表3)。
  4. 水耕栽培のカイワレダイコン、ブロッコリー、ソバおよびダッタンソバのスプラウトは給水のみの場合でも1〜10 mg/100gFWのGABAを含有するが、10 g/lの濃度に調整したGABA液を50 ml、16時間水耕施用することで約40〜80 mg/100gFWに増加する(図1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 合成反応及びGABA液の分離に際し攪拌機、恒温器、遠心機等の機材が別途必要となる。
  2. 本成果におけるGABA生産に関わる原料コストはGABA1kgあたり3808円である。

平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名及び区分
「小麦胚芽を利用したγ-アミノ酪酸の効率的生産方法とスプラウトへの応用」(研究参考)

[具体的データ]

[その他]

 



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