畑地型酪農経営におけるメドウフェスクを用いた集約放牧の導入効果


[要約]

[キーワード]

[担当]北海道農研・北海道農業経営研究チーム・集約放牧研究チーム
[代表連絡先]電話011-857-9260 電子メール seika-narch@naro.affrc.go.jp
[区分]北海道農業・畜産草地、共通基盤・経営
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 開発技術は、越冬性と再生力に優れるメドウフェスク品種「ハルサカエ」の混播草地に、5月上旬から11月中旬まで草地生産力に応じて、放牧地面積を変えて一日輪換放牧するものである。放牧草採食量を確保することにより、1頭当たり年間乳量は8,500kgと舎飼と同等の乳量水準を維持できる。農家実証によれば、1頭当たりの年間飼養管理労働時間は舎飼の103.4時間から9.2時間少ない94.2時間に短縮できる(表1)。また、適切な追播によりメドウフェスクの割合を高める(被度60%)ことにより、放牧専用地で865kg/10aの乾物収量を5年間継続的に維持できる。
  2. メドウフェスク集約放牧では舎飼と比較して、経産牛年間1頭当たりで配合飼料を87kg、大豆粕を365kg減らすことができ、経営全体の購入飼料費は1,695千円節減できると試算される(表2)。
  3. 経産牛60頭規模の舎飼方式の酪農経営に、メドウフェスクを用いた集約放牧を導入した経営シミュレーションの結果、農業所得は2,134千円増えて16,684千円に増加する一方、放牧期間内の従事者1人当たり労働時間は237時間減少して1,438時間になる。また、飼料自給率(TDN換算)は65.4%から72.9%と7.5ポイント上昇する(表3)。
  4. 配合飼料価格の上昇が所得減少に与える影響は、舎飼に比べて集約放牧の方が緩やかであり、配合飼料価格の上昇に伴い、集約放牧の舎飼に対する相対的な有利性は高まる(図1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 集約放牧の導入を希望する北海道畑作地帯の酪農経営の営農計画策定に利用できる。
  2. 試算結果は放牧地が牛舎周辺に団地化されていることが前提である。

平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「中規模酪農における畑地型集約放牧システムの体系化と経営評価」(指導参考)

[具体的データ]

[その他]

 



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