2番草糖含量に着目した高糖含量オーチャードグラスの育成方法


[要約]

[キーワード]

[担当]北海道農研・寒地飼料作物育種研究チーム
[代表連絡先]電話011-857-9260、電子メール seika-narch@naro.affrc.go.jp
[区分]北海道農業・畜産草地、畜産草地
[分類]研究・普及


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 1番草を出穂始から出穂期に刈り取り、その後約45日間隔で年3〜4回刈り取った場合、オーチャードグラスの導入品種および育成品種・系統97点の糖含量は、年間平均7.2%で5.3〜10.8%の変異幅がある(表1)。番草別の品種平均糖含量は、3および4番草が9.4%で高く、2番草は4.4%で低い(表1)。糖含量の広義の遺伝率は、1および2番草が0.37と0.85、各品種群が0.34〜0.71である(表1)。
  2. 晩生品種・系統群の糖含量は、年間平均8.7%で早生および中生品種・系統群より高く、標準偏差が早生および中生より大きく変異幅が広い(表1)。晩生品種・系統群の病害罹病程度は、早生および中生よりやや低い。
  3. 2番草糖含量は、1番草との間にr=0.74(n=31)および3、4番草との間にr=0.46(n=97)の有意な相関がある。2番草糖含量の年次間の相関係数はr=0.77で、1番草(r=0.39)および3、4番草(r=-0.03)の年次間相関係数より高い(図1)。2番草糖含量は、年次による品種・系統間の序列の変動が小さく安定した評価が可能である。
  4. 各集団において、2番草および3、4番草糖含量と病害罹病程度との間には有意な相関があり、葉枯性病害に罹病することにより、糖含量が低下する傾向がある(表2)。
  5. 多数の個体から病害罹病程度の低い個体を選抜し、その中から2番草糖含量の高い個体を選抜して育成した「北育89号」の1および2番草糖含量は、中生の標準品種「ハルジマン」に比べて有意に高く、貯蔵性炭水化物であるフルクタンの含量が高い(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. オーチャードグラス育種の選抜過程に、2番草による糖含量選抜を取り入れて利用できる。
  2. 糖含量は、施肥量など栽培条件および刈取り時期により変動する。

[具体的データ]

[その他]

 



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