メドウフェスク主体集約放牧草の粗タンパク質画分の栄養特性


[要約]

[キーワード]

[担当]北海道農研・自給飼料酪農研究チーム
[代表連絡先]電話011-857-9260、電子メールseika-narch@naro.affrc.go.jp
[区分]北海道農業・畜産草地、畜産草地
[分類]技術・参考


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. プロットハーベスタで機械刈りした短草多回刈MF主体生草(MF率42.0-71.6%、設定刈取草高5cm、n=54、平均草丈30cm、CP含量:25.3%)のSIP、中性デタージェント不溶CP(NDICP)含量は、4.9-11.0%、4.0-10.4%の範囲にあり、MF主体集約放牧草(n=132、平均草丈20.9cm、CP含量:23.0%)と同様な範囲(SIP;4.6-12.4%、NDICP;4.3-11.7%)にある。
  2. MF主体集約放牧草は、溶解性のCPの割合(SIP/CP)が春先に高く、以後減少し8月に最低となり、秋に再び増加する。中性デタージェント不溶のCPの割合(NDICP/CP)は春先高く、6月に最低となった後、夏まで上昇し、秋に再び減少する(図1)。
  3. 短草多回刈MF生草のCPは乳牛の第一胃における分解速度が大きく(図2)、サイレージ等の貯蔵飼料に比べ、窒素摂取量あたりの尿中に排泄される割合が高い(図3)。
  4. 短草多回刈生草のTDN/CP比は平均3.2で2.5〜4.8と貯蔵飼料よりも低い範囲にある。尿中窒素排泄量およびBUN含量は、飼料のTDN/CP比と負の相関が認められ、TDN/CP比が低下すると急激に増加する(図4)。
  5. 以上、MF主体集約放牧草のCPは、春先や夏は高い割合で繊維中に存在するが、9月以降はSIPとして蓄積される。短草多回刈MF主体生草のCPは、反芻家畜の第一胃内で急激に分解され、尿中に排泄される割合が高い。

[成果の活用面・留意点]

  1. 集約放牧MF生草のCP画分の基準値として利用できるとともに、放牧草のTDN/CP比の季節変動に基づく飼料設計に活用できる。
  2. 窒素出納並びにBUNは去勢ヒツジ(n=262)を供して行った52回の消化試験の結果である。また、集約放牧草は幕別町忠類3農家で4カ年にわたる調査による。

[具体的データ]

[その他]

 



目次へ戻る