新規プライマーを用いたLAMP法による牛ヨーネ菌検出


[要約]

[キーワード]

[担当]道立畜試・基盤研究部・遺伝子工学科、栄研化学(株)・生物化学研究所 
[代表連絡先]電話0156-64-5321
[区分]北海道農業・畜産草地
[分類]技術・参考


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 新たに設計したプライマーF17によるLAMP法は、40分間のLAMP反応によりヨーネ菌DNA0.005pg/testを検出し、リアルタイムPCR法と同程度の検出感度である(図1)。また、高濃度のヨーネ菌類似菌DNAは50分以降に増幅するが、想定している判定時間以降の増幅で識別可能であり、プライマーダイマーに起因する非特異増幅は120分間までは生じない。
  2. ヨーネ菌が含まれていない糞便試料(陰性糞便試料)10試料から調製したDNA試料においてLAMP法による増幅反応はみられない。
  3. 患畜糞便58試料のうち糞便培養法陽性の16試料すべてにおいてLAMP法によりヨーネ菌DNAを検出する(表1)。
  4. 培養スコアが大きくなるとLAMP法のTt値(LAMP反応において濁度0.1に達した時間)が小さくなる傾向がみられる(図2)。
  5. LAMP法の検出結果は、リアルタイムPCR法の検出結果と93.1%一致し(表2)、またLAMP法のTt値とリアルタイムPCR法のCt値(リアルタイムPCR法において一定の増幅産物に達するサイクル数)に相関(γ=.736)がある(図3)。
  6. ヨーネ病発生農家の牛群から採取した糞便試料において、糞便培養法陽性9試料のうちLAMP法により検出できたのは3試料である。糞便培養法において確認されたコロニー数が少ない試料において、LAMP法およびリアルタイムPCR法で検出されないものもあるが、LAMP法の検出結果はリアルタイムPCR法の検出結果と96.8%一致する。

[成果の活用面・留意点]

  1. ヨーネ菌用培地上に形成したコロニーのヨーネ菌同定に活用できる。
  2. 本検査法は、国の「牛のヨーネ病防疫対策要領」および北海道の「牛のヨーネ病防疫対策実施要領」において、牛ヨーネ病の検査法に規定されておらず、現段階では、診断に利用できない。
  3. LAMP試薬キットを2008年度発売予定。

平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「LAMP法による牛ヨーネ菌検出」(研究参考)

[具体的データ]

[その他]

 



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