中生で採草と放牧の兼用利用に適したペレニアルライグラス新品種「天北5号」


[要約]

[キーワード]

[担当]道立上川農試・天北支場・技術普及部
[代表連絡先]電話01634-2-2111
[区分]北海道農業・畜産草地
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 「天北5号」は6栄養系の組合せによる合成品種法で育成され、構成栄養系はいずれも道内のエコタイプに由来する。
  2. 出穂始は「ポコロ」(晩生)より5〜8日、「ファントム」(中生の晩)より4〜5日いずれも早く、早晩性は「中生の早」に属する。
  3. 兼用利用での乾物収量は、1番草は刈取時期が遅い「ポコロ」より少ないが「ファントム」よりやや多く、2番草以降の多回刈合計は「ポコロ」より多く、「ファントム」と同程度であることから、中生種としてはやや多収である。
  4. 多回利用での年間合計乾物収量は「ポコロ」、「ファントム」と同程度である。
  5. 越冬性は「ポコロ」、「ファントム」よりやや劣る場合があるが、実用上問題ないレベルを有する。
  6. 飼料成分は、兼用利用1番草の粗蛋白質(CP)含量が「ポコロ」より高く、多回利用時の水溶性糖類(WSC)含量が「ポコロ」、「ファントム」より高い。可消化養分総量(TDN)含量は「ポコロ」、「ファントム」と同程度である。
  7. 放牧条件下での採食性が「ポコロ」と比べやや良好であり、放牧適性は「ポコロ」よりやや優れる。
  8. 採種性は「ポコロ」および「ファントム」より非常に優れる。
  9. 混播適性は「ポコロ」と同程度で良好である。

[成果の活用面・留意点]

  1. 道北、道央および道南に適する。普及見込面積は6,000haである。
  2. 利用方法は1番草を採草し、その後放牧する兼用利用を主とする。
  3. 造成後2年目に倒伏が発生する場合があるので採草時は適期に刈り取る。
  4. 土壌凍結地帯での栽培は避ける。

平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
ペレニアルライグラス新品種候補「天北5号」(普及奨励)

[具体的データ]

[その他]

 



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