種ばれいしょ栽培における生育調節剤による茎葉処理とウイルス感染


[要約]

[キーワード]

[担当]道立中央農試・環境保全部・クリーン農業科、基盤研究部・遺伝子工学科
[代表連絡先]電話0123-89-2290
[区分]北海道農業・生産環境
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. ジャガイモ葉巻ウイルス(PLRV)を媒介するアブラムシ類有翅虫の大多数は茎葉処理以前に飛来しており、ジャガイモYウイルス(PVY)を媒介するアブラムシ類有翅虫は茎葉処理以前から茎葉処理後まで飛来する(図1)。道央地域では、PLRVは主に茎葉処理以前に感染し、PVYは生育期全般にわたり感染する可能性がある。
  2. ウイルス保毒源を設置した圃場試験では、アブラムシ類に対する薬剤防除と茎葉処理だけではウイルス感染を完全に防止することは困難である(表1)。このことから、種ばれいしょ栽培では、ウイルス感染防止対策ためにはウイルス保毒源の除去又は保毒源からの分離が最重要である。
  3. 圃場試験では、2種類の生育調節剤とも次代塊茎へのウイルス感染が認められ、両剤間で感染率に差が認められなかった(表1)。茎葉処理後、枯凋途中及び枯れ残りや再生した茎葉に保毒虫を接種した場合も、2種類の生育調節剤とも次代塊茎にウイルス感染が認められた(表2)。これらのことから、2種類の生育調節剤のウイルス感染防止効果に差はないと考えられた。
  4. 茎葉処理後に枯れ残りや再生が生じる場合は、ウイルス感染が生じる可能性があるため、枯れ残りや再生が少なくなるよう努める。

[成果の活用面・留意点]

  1. 種ばれいしょ栽培では、ウイルス保毒源の除去、一般栽培のばれいしょ圃場等ウイルス保毒の可能性がある作物からの分離、アブラムシ類への薬剤防除の徹底等を実施する。
  2. 茎葉処理を行う場合は、平成16年度普及推進事項「茎葉チョッパと生育調節剤による種ばれいしょ生産のための茎葉処理体系」(十勝農試)及び平成18年度普及推進事項「ばれいしょ栽培における茎葉処理機の効果的利用法」(十勝農試)等を参考にして速やかに枯凋させかつ枯れ残りや再生を少なくするよう努める。

平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「種ばれいしょ栽培における生育調節剤による茎葉処理とウイルス感染」(指導参考)

[具体的データ]

[その他]

 



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