ジャガイモ主要病害虫を網羅的に同時検出できるマクロアレイ


[要約]

[キーワード]

[担当]北海道農研・バレイショ栽培技術研究チーム、北海道畑輪作研究チーム
[代表連絡先]電話011-857-9260、電子メールseika-narch@naro.affrc.go.jp
[区分]北海道農業・生産環境、共通基盤・病害虫(病害)
[分類]技術及び行政・普及


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. わが国にこれまで発生記録があるジャガイモウイルス12種、海外からの侵入が予想される重要ウイルス・ウイロイド3種、細菌病3種、ジャガイモシストセンチュウの合計19病害虫(表1)の遺伝子から、特定領域をクローニングし、PCRで300-800bp程度のcDNA(キャプチャープローブ)を増幅して、3.5cm×8.5cmのナイロンメンブレンに1病害虫あたり9個所スポットしたマクロアレイを作製する(図1)。
  2. 検体として各病害虫(感染植物、培養上清、線虫)からRNAまたはDNAを抽出し、各病害虫遺伝子特異的プライマーセットを用いたRT-PCRまたはPCRでビオチン標識し、標識cDNAを混合してマクロアレイ解析を行うと、1枚のマクロアレイ上の発色反応として、生物分類の大きく異なる各病害虫を特異的に同時検出できる(図1図2
  3. 各工程では以下の市販試薬類・方法を用いる(図2)。1)遺伝子抽出:RNA抽出、Trizol(Invitrogen);DNA抽出、熱抽出法。2)標識cDNAの合成:RT-PCRの逆転写反応、Random 9mer primer (TaKaRa)、AMV Reverse Transcriptase XL (TOYOBO);標識PCR、Biotin-16-dUTP (Roche)、Ampli-Taq Gold LD (AB)。3)ハイブリダイゼーション:ハイブリ溶液、PerfectHyb(TOYOBO)。4)化学発色による検出:Streptavidin (NEB)、 AP標識Streptavidin(NEB)、 NBT/BCIP(Roche)。
  4. 既発生ウイルスのみならず、侵入が警戒されるウイルス・ウイロイドや、従来法では煩雑で感度の低かった細菌、線虫を含め、主要19種の病害虫を同一のマクロアレイ上で短時間(28時間)、高感度に検出できる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本検出法はジャガイモ種いも生産における病害虫診断や検疫等に利用できる。
  2. 本マクロアレイは上記連絡先・潟宴{(http://www.labo.co.jp/contents/jutaku.html)より入手可能である。

[具体的データ]

[その他]

 



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