福島、山形県内有機および慣行ミニトマト栽培農家土壌の糸状菌群集構造


[要約]

[キーワード]

[担当]北海道農研・根圏域研究チーム
[代表連絡先]電話011-857-9260、電子メールseika-narch@naro.affrc.go.jp
[区分]北海道農業・生産環境、共通基盤・土壌肥料
[分類]研究・参考


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 2年間にわたる土壌の理化学性分析の結果、有効態リン酸は有機栽培農家土壌において有意に高い。他の分析項目に関しては、有機栽培農家土壌において高い傾向は認められるが、農家毎の変動が大きく有意な差ではない。また、土壌中の糸状菌数も農法間で有意な差は認められない(表1)。
  2. 糸状菌の18S rDNAの部分塩基配列を用いた糸状菌群集のDGGE(変性剤濃度勾配ゲル電気泳動)プロファイルはそれぞれの農家で異なる(図1)。
  3. DGGEプロファイルの主成分分析により、年度により不明瞭な場合もあるが、有機および慣行栽培農家土壌をグルーピングでき(図2)、農法の違いが糸状菌群集に反映していると考えられる。
  4. バンドの主成分スコア係数より、有機栽培農家土壌と慣行栽培農家土壌の識別には、Chaetomium globosum(セルロース分解)とMortierella hyalina(生物の死骸や排泄物を分解)が強く関与し(図2)、慣行栽培農家土壌において、これらの微生物に相当するバンドの輝度が高い(図1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 現地農家土壌における農法の違いを糸状菌群集構造のDGGEプロファイルに基づいて比較した初めての事例である。
  2. 調査対象は福島県、山形県内のミニトマト栽培中のハウス内土壌(2005年:有機8カ所、慣行13カ所、2006年:有機6カ所、慣行13カ所)であり、有機はJAS有機認証農家、および慣行は化学肥料、農薬を施用し、堆肥等の有機物も施用している農家である。
  3. 本成果情報で解析した土壌は、平成19年度成果情報(東北農業・基盤技術(土壌肥料))「土壌のリン脂質脂肪酸組成は有機栽培と慣行栽培で差が認められない」における土壌と同じであり、図表中の農家記号は共通である。

[具体的データ]

[その他]

 



目次へ戻る