ラフィノース合成系酵素遺伝子の導入によるイネの低温耐性向上効果


[要約]

[キーワード]

[担当]北海道農研・低温耐性研究チーム
[代表連絡先]電話011-857-9260、電子メールseika-narch@naro.affrc.go.jp
[区分]北海道農業・生物工学
[分類]研究・参考


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. マイクロアレイ解析の結果によれば、ガラクチノール合成酵素(GolS)遺伝子が、コムギの低温適応時に発現しており、単離されたコムギガラクチノール合成酵素遺伝子(TaGolS1,TaGolS2)は、低温特異的なストレス応答発現を示す(図1)。
  2. コムギ由来TaGolS1あるいはTaGolS2が導入されたイネ幼苗(発芽後14日)の糖含量は、原品種の約9倍(ガラクチノール)及び約8倍(ラフィノース)の高い値を示す(図2)。
  3. 発芽後14日の幼苗に対し、5oCの低温処理を13.5日行った後、生育温度に戻し、その14日後における生存率を調査すると、原品種の生存率が33%であるのに対して、TaGolS 導入イネ系統GolS1-1及びGolS2-2では、80%〜83%の高い生存率を示す(図3)。
  4. 13oCの低温下での発芽率を10日間調査するとTaGolS 導入イネ系統種子GolS2-6、GolS2-7及びGolS2-8は、原品種を上回る発芽性を示す(図4)。なお、25oCにおける発芽試験では、原品種とTaGolS 導入イネ系統の間に差は認められない。
  5. これらの結果は、蓄積したラフィノースがイネの低温耐性の向上効果を持つことを示す。

[成果の活用面・留意点]

  1. ラフィノース合成系酵素遺伝子を用いた低温耐性向上技術の開発に資する。
  2. 作物の低温耐性獲得機構の解明につながる。

[具体的データ]

[その他]

 



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