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積雪下で株枯れを引き起こし、関東以北に分布する糸状菌病。積雪下の茎葉が軟化・枯死し、ピンク色に見える。菌核は形成しない。非積雪地域の芝地でも、発生が報告されている。病原菌はマイコトキシンとして、ニバレノールおよびデオキシニバレノールを産生するとされてきたが、最近の研究で少なくとも日本産の菌は産生しないことが分かっている。 |
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夏に多く発生する斑点性の糸状菌病。病斑は葉身に形成され、褐色、楕円形から不整形で、中央部は黒褐色となる。大きさは5ー6×2ー3mm程度で、多発すると葉を枯らす。周縁部はやや黄化する。病原菌はヘルミントスポリウム菌で、寄主範囲が広く、フェスク斑点病なども引き起こす。
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葉、葉鞘、稈および冠根など地上部全体に発生する糸状菌病。初め地面に近い葉や葉鞘が暗色水浸状になり、表面を白い絹糸状の菌糸がはう。後に栗褐色、直径0.3-0.5mmの菌核が形成され、植物体は地際部から腐敗するように枯れていく。 |
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暖地での夏枯の原因となる斑点性の糸状菌病。初め水浸状の小斑点が現れ、これが広がって灰白色〜淡褐色、長楕円形〜紡錘形、長さ5-10mm、幅2ー4mm程度の病斑になる。病斑が古くなると中央部に剛毛という菌組織を形成し、黒くかびたように見える。多湿条件下ではオレンジ色の胞子粘塊を形成し、これが風雨で飛散してまん延する。梅雨明けから夏の終わりにかけて発生する。病原菌はソルガム、オーチャードグラス、バヒアグラスなどの炭そ病菌と同種であるが、それぞれ寄生性が分化しているとされる。
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1996年に宮崎県でイタリアンライグラスに発生した病害。4月から7月にかけて、葉身および葉鞘に発生し、初め表面に白色粉状の楕円形の菌叢を形成し、後に拡大して灰白色の菌叢となる。発生後期には病斑は相互に融合して不定形となり、植物体全体にうどんこを振りかけたような状態になる。病原菌はライグラス類に特異的な病原性を示す。 |
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積雪下で株枯れを引き起こし、主に北海道で発生する重要病害。病徴は黒色小粒菌核病と類似するが、枯死部表面に形成される菌核が粟粒大、赤褐色である点が異なる。菌核は枯死植物の茎、葉、根などに形成される。病原菌は黒色小粒菌核病菌と近縁だが、より腐生性が強く、黒色小粒が発病した後に侵入し、混発するとされる。 |
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イネ科植物の内生菌(エンドファイト)であるため、一般的に無病徴で、感染した植物は非感染植物と区別がつかない。葉身や葉鞘などで、無色で分枝が少なく捻れた菌糸が植物細胞間隙を進展する。種子内にも侵入し、菌糸がデンプン粒間を進展して、次世代への感染源となる。わが国では1990年代からライグラスのエコタイプ等で確認されている。感染した植物は、耐虫性、耐病性および環境ストレス耐性などを獲得する。 |