肉豚用配合飼料の10%量を飼料米に代替して肥育後期に給与できる
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[要約] |
飼料イネ専用品種ホシアオバの穀実をモミ米のまま肉豚用配合飼料の10%量代替した飼料を肥育後期に給与すると、背脂肪が薄くなり、肉色が淡くなるが飼養成績や豚肉の脂肪酸組成は慣行の肉豚用配合飼料と同等である。 |
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[キーワード]飼料イネ専用品種、ホシアオバ、モミ米、10%量代替、飼養成績 |
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[担当]三重畜研・中小家畜研究課
[代表連絡先]電話:0598-42-2029
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(中小家畜)
[分類]技術・参考 |
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[背景・ねらい] |
食料自給率の向上や畜産経営の安定を図るため、畜産飼料の自給率向上が推進されている。
一方食糧米においては生産調整が行われ、水田での麦、大豆、飼料作物等の作付けが奨励されている。
この研究は食糧米の生産調整施策で作付けされる飼料米やわら専用イネの穀実を、養豚用飼料として使用することによって飼料自給率の向上に寄与することを目的とし、近年作付けが拡大している飼料米の養豚用飼料としての円滑な利用を目指す。 |
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[成果の内容・特徴] |
1. |
三重県で生産された飼料イネ専用品種ホシアオバの穀実を収穫後に乾燥し、モミ米のまま肉豚用配合飼料の10%重量を代替した飼料米配合飼料を調製する。体重70kgから出荷まで肥育豚に給与し、市販の肉豚用配合飼料を対照飼料として比較する(表1)。
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2. |
体重70kgから115kg到達までの飼養成績に飼料米配合飼料給与の影響はない(表2)。
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3. |
枝肉歩留、ロース芯面積、ロースの筋肉内脂肪含量に飼料米配合飼料給与の影響はない。
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4. |
ロース切り口の肉色を色彩色差計で計測すると、飼料米配合飼料を給与した豚で明るさを示すL値が高くなる。また、赤色を示すa値は低くなる傾向、黄色を示すb値は高くなる傾向があり、飼料米配合飼料を給与した豚で肉色は淡くなる(表3)。
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5. |
飼料米配合飼料を給与した豚は背脂肪が薄くなる(表3)。 |
6. |
ロース周辺に付着した皮下脂肪内層やロースの筋肉内脂肪の脂肪酸組成には、飼料米配合飼料給与の影響はない(表4)。 |
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[成果の活用面・留意点] |
1. |
飼料米を豚に給与する場合、挽き割り、玄米、圧ぺんなどの加工調製方法があるが、モミ米のまま給与する方法が低コストである。 |
2. |
豚で飼料米をモミ米のまま給与する場合の消化率を明らかにする必要がある。 |
3. |
当研究所で生産されたLWD交雑種を用いたデータである。 |
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![]() [具体的データ] |
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![]() [その他] |
研究課題名:霜降り豚肉生産技術の開発
予算区分:県単
研究期間:2006〜2008年度
研究担当者:市川隆久、西 康裕
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