リンゴ「シナノゴールド」の専用カラーチャートを基準とした適期収穫
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[要約] |
「シナノゴールドカラーチャート」の果皮色指数は、リンゴ「シナノゴールド」の果実品質と高い相関があり、熟度の把握に有効である。収穫開始の目安は、標高500m未満の地域で指数3.5以上、500〜700mの地域で4.0以上である。 |
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[キーワード]リンゴ、シナノゴールド、カラーチャート、果皮色、適期収穫 |
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[担当]長野果樹試・栽培部
[代表連絡先]電話:026-246-2411
[区分]関東東海北陸農業・果樹
[分類]技術・普及 |
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[背景・ねらい] |
リンゴ「シナノゴールド」は、多汁で肉質が良く、甘酸適和で、市場において高く評価されている。しかし、収穫が早すぎると酸味が強く食味が劣るため、適熟で食味の良い果実を出荷していくことが、消費者に受け入れられるための必須条件である。そこで、果皮色と果実品質の関係を調査し、「シナノゴールド」専用カラーチャートを用いた適期収穫技術の確立を目指した。 |
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[成果の内容・特徴] |
1. |
本技術は「シナノゴールドカラーチャート」(図1)の着色指数を基準に、果皮色から果実の熟度を判断し、収穫適期の把握ができることを特徴とする。 |
2. |
2006年および2007年ともに、果実の陽向面と非陽向面の中間赤道部のカラーチャート指数と糖度・酸度等の品質調査各項目との間には有意な相関が認められ、カラーチャート指数は果実品質を推定する手段として有効である(表1)。 |
3. |
官能による食味評価が普通以上、熟度評価が適熟以上となるのは、カラーチャート指数が、場内(標高360m)は指数3.5以上で、また、高標高地(標高610m)は4.0以上であった(図2、3)。
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4. |
以上から収穫適期の目安となる着色指数は、標高500m未満の低標高地域ではカラーチャート指数3.5以上、500〜700mの高標高地域でカラーチャート指数4.0以上であり、この果皮色を基準として収穫することで、適熟で食味の伴った果実が収穫可能である。 |
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[成果の活用面・留意点] |
1. |
比色部位は果実の陽向面と非陽向面の中間赤道部とする。比色は明るい日陰で行い、直射日光や蛍光灯の下では色調が異なるので行わない。 |
2. |
即売用、短長期貯蔵用いずれもこの果皮色指数の基準で収穫する。この基準で収穫した果実の室温での日持ち性は3週間程度、5℃の冷蔵では3ヶ月程度品質が保持できる。
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3. |
収穫の判断は、カラーチャート指数のみではなく、その他の形質(糖度・食味・果面ワックスの発生等)も考慮し総合的に行う。 |
4. |
標高700m以上の様な冷涼な産地では、酸度が高いため、果皮色の進んだ完熟の状態で収穫しても酸味が強く食味が劣る傾向がある。このような場合は1ヶ月程度冷蔵し酸味が少なくなってから出荷する方法を検討する。 |
5. |
本カラーチャートは長野県農政部園芸畜産課が受注生産し、販売は長野県内限定である。 |
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![]() [具体的データ] |
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![]() [その他] |
研究課題名:「シナノゴールド」の即売・短期貯蔵・長期貯蔵に対応した収穫適期把握技術の開発
予算区分:県単 プロジェクト
研究期間:2006〜2008年度
研究担当者:小川秀和、玉井 浩、小野剛史、泉 克明、岡沢克彦、島津忠昭
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