9月彼岸出荷用コギク露地電照栽培における電照期間短縮による低コスト化
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[要約] |
9月彼岸出荷用コギク露地電照栽培では、電照を6月中旬に開始しても開花は十分抑制でき、電照コストを20%節約できる。さらに、6月中旬に終了する8月旧盆出荷用コギクの電照設備を移設利用すると、60%以上の電照コスト節減が可能である。 |
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[キーワード]コギク、電照、低コスト、露地、9月彼岸出荷 |
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[担当]茨城農総セ・園研・花き研究室
[代表連絡先]電話:0299-45-8341
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・普及 |
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[背景・ねらい] |
8月旧盆出荷コギクで露地電照栽培が普及するに従い、9月彼岸出荷用コギクでも露地電照栽培が試みられているが、好適な電照法はまだ確立されていない。不況による価格低迷が長引く中、ここでは電照期間を短縮することによる電照コスト節減の可能性を探る。 |
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[成果の内容・特徴] |
1. |
電照開始日を定植直後(慣行)の5月24日から6月15日に遅らせても開花抑制効果に差はなく、供試品種では9月上〜中旬の彼岸向け需要期に出荷可能である(表1)。 |
2. |
切花長、切花重、節数、側枝数、花蕾数は、多くの品種で電照により増加する(表1)。フォーメーションは「夏こぼし」と「ミミレ」とを除き、電照により商品性の高い草姿になる(表1)。これらの効果は多くの品種で電照開始時期の影響を受けないため、電照期間の短縮が可能である(表1)。 |
3. |
電照を6月15日に開始する場合、6月中旬に電照が終了する8月旧盆出荷用コギク露地栽培用の電照設備を移設して利用することが可能である。 |
4. |
電照を6月15日に開始すると、電照コストは切花1本あたりで慣行より20%(0.35円)の節減が可能で、1.40円となる。さらに8月旧盆出荷用コギクの電照設備を移設して使用する場合は64%(1.12円)の節減が可能で、電照コストは0.63円/本となる。10aあたりに換算すると、電照コストは慣行の36%にあたる22,080円で、慣行に比べ39,224円の低コスト化が可能である(表2)。 |
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[成果の活用面・留意点] |
1. |
茨城県内で9月彼岸出荷用として栽培されている品種を用い、茨城県花き栽培基準に準じて栽培した。 |
2. |
8月旧盆出荷用の露地電照設備を移設して使用する場合は、8月旧盆出荷作型での再電照処理はできない。 |
3. |
本試験では供試品種の全てで電照による開花抑制効果が認められたが、電照効果については品種依存性が高いため、あらかじめ日長感応性の大きい適品種を選定しておく必要がある。 |
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![]() [具体的データ] |
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![]() [その他] |
研究課題名:電照施設利用による夏秋ギク高精度開花調節技術の開発ならびに産地実証
予算区分:県単・委託プロ
研究期間:2005〜2008年度
研究担当者:門脇伸幸、本図竹司、常見高士
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