カーネーションの2年切り栽培における適正品種の選定


[要約]
カーネーションの2年切り栽培にはスタンダードタイプでは生産本数の多さから「エクセリア」が、スプレータイプでは生存率、生産本数の高さから「インテルメッツオ」、「デリカード」、「ガンジーイエロー」が適している。

[キーワード]カーネーション、2年切り、適応品種

[担当]栃木農試・園芸技術部・花き研究室
[代表連絡先]電話:028-665-7071
[区分]関東東海北陸農業・花き
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
カーネーション栽培は、種苗コストが高いことから2年間同一株を利用して種苗費を半減できる2年切り栽培が試みられている。しかし品種による2年切り栽培の生産性や特性が明確ではない。そこで、県内で主に栽培されている品種の適応性について検討した。

[成果の内容・特徴]
1. 2年切り栽培には、スタンダードタイプでは、m2当り生産本数が231本と多いことから「エクセリア」が適している(表1)。
2. スプレータイプでは、m2当り生産本数が220本以上と多いことから「インテルメッツオ」、「デリカード」、「ガンジーイエロー」が適している。中でも「インテルメッツオ」は発生芽数が少なく芽整理の労力も少なくてすむこと、収穫時期別の生産本数が安定していることから、2年切り栽培には好適な品種である(表1図1)。「コンチェルト」は全期間を通しての生産本数は高いものの9〜12月の生産本数が少ないことから、開花の前進化等の方法を検討する必要がある(図1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 栽培は1区72株2反復で行った。作型は6月定植の周年栽培で、栽植密度は36株/m2(ベッド面積)とし、反射マルチを使用した。栽培土壌は、表層多腐植質黒ボク土で、養水分管理は潅水同時施肥栽培で行った。栽培2年次の切戻しは6月5日に切戻し高さ10pで行った。
2. 切戻し前2週間はかん水量を1.2L/6.3(MJ/m2)/m2(ベッド面積)、切戻し後1週間は0.45L/6.3(MJ/m2)/m2(ベッド面積)とし、かん水のみ行った。
3. 栽培2年次の仕立て本数は切戻しから約50日後に6本/株とし、8月下旬にその中の2本を修正ピンチする。

[具体的データ]
表1 栽培1年次生産本数及び栽培2年次切り花品質、生産本数、株生存率、萌芽数
図1 栽培2年次の時期別生産本数

[その他]
研究課題名:カーネーションの2年切り栽培技術の確立
予算区分:県単
研究期間:2005〜2006年度
研究担当者:沼尾貴延、高沢 慎

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