機能性乳酸菌H61株を使用した美味しいヨーグルト飲料の開発


[要約]
マウス実験で老化抑制機能が認められた乳酸菌H61株を使用した飲むヨーグルトの開発をJA茨城みずほと共同で行い,「"WaKaSa"飲むヨーグルト」という商品名で製品化した。

[キーワード]乳酸菌H61株,飲むヨーグルト,新規乳製品

[担当]茨城工技セ・食品バイオ部門
[代表連絡先]電話:029-293-8576
[区分]関東東海北陸農業・流通加工
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
茨城県北部には観光資源として里美高原があり,JA茨城みずほでは里美高原で生産された牛乳を原料とした飲むヨーグルトを製造販売している。しかし,使用している乳酸菌は大手スターターメーカーのものであり,原料乳が地域限定という特徴だけでは消費者の商品訴求力は高いとはいえない。そこで,畜産草地研で開発された乳酸菌 Lactococcus lactis subsp. cremoris H61株を使用した飲むヨーグルトの共同開発を行った。乳酸菌H61株はマウス実験において老化抑制機能が認められている。

[成果の内容・特徴]
1. 乳酸菌H61株の最適発酵温度は30℃で,10時間発酵させると乳酸菌数4×108,pH4.2の良好なヨーグルトを作ることができる(図1図2)。
2. ヨーグルトスターターとして乳酸菌H61株を用いると,とろみがあり,酸味が弱く,チーズの様なコクのあるヨーグルトを作ることができる。
3. 2007年11月に行われたフードテクノフェアにて,乳酸菌H61株を使用したヨーグルトの試供品配布を行った。このとき集めたアンケートでは326名の回答者のうち75%の回答者から「おいしい」との回答を得ることができた。
4. 2008年11月21日より「"WaKaSa"飲むヨーグルト」という商品名(図3)でJA茨城みずほの運営する5つの直売所にて販売を行っている。

[成果の活用面・留意点]
1. 固形ヨーグルト(食べるヨーグルト)としての開発にも応用することができる。
2. 33℃以上の温度で発酵させるとホエーの分離など発酵不良が起きる恐れがあるため,注意が必要である。

[具体的データ]
図1 乳酸菌数の経時変化

図2 pHの経時変化
図3 商品化された製品「WaKaSa飲むヨーグルト」

[その他]
研究課題名:"若さを保つ乳酸菌H61株"を使用した新製品開発
予算区分:グリーンふるさと起業化支援事業
研究期間:2007〜2008年度
研究担当者:岩佐悟,橋本俊郎(茨城工技セ)
片岡文江,高星広之(JA茨城みずほ)

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