福来みかんの機能性成分


[要約]
フクレミカンの成分分析を行って機能性因子を探索したところ,果皮にポリメトキシフラボノイドが多く含まれており,収穫後のフクレミカンを貯蔵した場合でも,それらの含量は変化が少なく,安定性が高いことがわかった。

[キーワード]機能性成分

[担当]茨城工技セ・地場食品部門・食品バイオ部門
[代表連絡先]電話:029-293-8576
[区分]関東東海北陸農業・流通加工
[分類]研究・参考

[背景・ねらい]
地域特産物を使った付加価値の高い商品開発支援の要望が高まっていることを受け,茨城県産の新たな食品素材の掘り起こしとその普及を目指したものである。具体的には,茨城県で古くから親しまれてきた地方品種のカンキツであるフクレミカンについて,含まれる機能性成分を定性・定量して,高付加価値化に資する特徴的な成分の含有を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
1. 茨城県桜川市産フクレミカンの成分分析を行ったところ,フクレミカンの果皮には,既に知られた幾つかの機能性成分が含まれていたが,その中でもポリメトキシフラボノイド(ノビレチン,タンゲレチン)が特徴的に多く含まれていることがわかった(表1)。ポリメトキシフラボノイドは経済栽培されている品種では,シークワーサー等に多く含まれていることが知られている。
2. フクレミカンのポリメトキシフラボノイドは,果実の収穫後も安定しており,貯蔵温度(5℃,20℃)によらず大きく減少しない(図1)。

[成果の活用面・留意点]
1. 成分の特徴を活かして,新たな加工食品原料としてフクレミカンを用いることができる。

[具体的データ]
表1 福来みかんのフラボノイド組成
図1 福来みかんのフラボノイド類の貯蔵中の変化

[その他]
研究課題名:県産農産品の機能性成分の調査研究
予算区分:特別電源所在県科学技術振興事業補助金
研究期間:2008年度
研究担当者:坂井祥平,宇津野典彦,中川力夫(地場食品部門)
武田文宣(食品バイオ部門)


目次へ戻る