セサミンとセサモリンが多く、早生な白粒のごま新品種「ごまひめ」


[要約]
白ごま「ごまひめ」はセサミンとセサモリンを多く含み、早生で収穫期が早い。

[キーワード]白ごま、リグナン、早生

[担当]作物研・特命チーム員
[代表連絡先]電話:029-838-8260
[区分]作物、関東東海北陸農業・水田作畑作
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
ごまは戦後の日本各地で一万haを越える面積で栽培されてきたが、省力化への対応の遅れから現在では数百haの栽培となっている。その一方、ごまは日本の食文化に深く組み込まれており、さらにゴマリグナン類における抗酸化性等の機能性が解明されるにつれ国産ゴマへの注目が集まってきている。一方、これまでに開発した高リグナン品種「ごまぞう」は粒色が褐色であり、また、栽培上も晩生でかつ病害に弱いことから利用、栽培が限定的であった。そこで、実需者にはリグナン含量が豊富で粒色に優れ、農業者には農業特性に優れ、また、他作物との作業競合を回避できる早生な栽培しやすい品種を開発し、ごま産地の復活や新産地の形成に貢献する。

[成果の内容・特徴]
1. ごま「ごまひめ」は交配育種により開発した白ごま品種である(図1)。
2. セサミンとセサモリンの含量が多い(表1)。
3. 成熟期が「ごまぞう」よりも2週間程度早く、関東では8月下旬に収穫できる(表2)。
4. 萎ちょう病や斑点細菌病の発生が少ないが、やや倒伏しやすい(表3)。

[成果の活用面・留意点]
1. 寒冷地以南の平坦地で栽培ができ、ごま産地の形成に貢献できる。
2. 多肥栽培は倒伏を助長するので避ける。

[具体的データ]
図1.「ごまひめ」の子実と系譜  表1.「ごまひめ」の生産物特性
表2.「ごまひめ」の生育特性
表3.「ごまひめ」の倒伏と病害特性

[その他]
研究課題名:イモ類・雑穀等の機能性の解明と利用技術の開発
課題ID:312-a.1
予算区分:基盤
研究期間:2001〜2008年度
研究担当者:大潟直樹、安本知子、山田哲也、杉浦誠、勝田真澄

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