水稲新奨励品種「コシヒカリ新潟BL11号」の選定


[要約]
水稲「コシヒカリ新潟BL11号」は、いもち病真性抵抗性以外の品種特性が「コシヒカリ」と同質である。「コシヒカリBL」の新たな構成品種とする。

[キーワード]イネ、いもち病真性抵抗性遺伝子、コシヒカリBL

[担当]新潟農総研・作物研究センター・育種科・品種選定グループ、品種育成グループ
[代表連絡先]電話:0258-35-0893
[区分]関東東海北陸農業・北陸・水田作畑作
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
現在、新潟県では「コシヒカリBL」の導入により、いもち病防除回数の削減から環境保全型農業や生産コストの低減、安全・安心な米の供給を推進している。「コシヒカリBL」に新たないもち病真性抵抗性遺伝子を保有する抵抗性品種を加えることで、いもち病の発病抑制効果を維持安定化する。

[成果の内容・特徴]
1. 「コシヒカリ新潟BL11号」は、形態、出穂期、成熟期、生育、収量、品質、食味等いもち病真性抵抗性以外の品種特性は「コシヒカリ」または「コシヒカリBL」と同質である(表1)。
2. いもち病真性抵抗性遺伝子型は、PiiPiz-t を持つと推定され、「コシヒカリBL」品種の中では現在のところ抵抗性品種と位置づけられる。

[成果の活用面・留意点]
1. 新潟県で2007年度に奨励品種に指定し、「コシヒカリBL」構成品種の一つとして高標高地(400m以上)を除く県内全域に普及する。
2. いもち病防除、栽培管理はこれまでの「コシヒカリBL」の考え方に従う。

[具体的データ]
表1 「コシヒカリ新潟BL11号」の特性概要
表2 「コシヒカリ新潟BL11号」の現地適応性

[その他]
研究課題名:水稲奨励品種決定調査事業
予算区分:県単事業
研究期間:2004~2007年度
研究担当者: 石崎和彦、松井崇晃、名畑越夫、金田 智、本圖明日香、小林和幸、 阿部聖一、加藤武司、川上 修、浅井善広、関田茂人

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