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登熟前期の日射量不足によるササニシキの乳白粒の発生


山形県立農業試験場・稲作部
[部会名] 総合農業
[分科会名]稲分科会
[分類]  (2)

[成果の内容]
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    1. 登熟前期20日間の日射量が23〜45%不足した場合、登熟歩合が低下し、玄米重は 15〜20%減少する(図1)。
    2. 単位面積当たり籾数が多い稲ほど、日射不足の影響を強く受け、乳白未熟粒が 多発し、整粒歩合が低下する(図2)。
    3. このような日射不足条件下においても整粒歩合70%が確保できる一穂籾数と穂数は 下記のとおりである(図3)。
    4. 乳心白粒歩合は、出穂後平均積算気温で1,000度C付近から増加するが、登熟前期の 日射量が少ないものでは900度C付近から急激な増加が認められた。また、 平方メートル当たり籾数が多い稲ほど刈り遅れると乳白粒歩合が高まる傾向が みられた(図4)。
  2. 技術・情報の適用効果
    登熟期が高温・少照条件に経過する年次の品質変動要因の解析に適用できる。
    適正な籾数確保によって、県産米の品質安定化が図られる。
  3. 適用の範囲
    県内平坦地域のササニシキに適用する。
  4. 普及指導上の留意点
    適正な肥培管理を実施し、過剰な籾数とならないよう特に留意する。
    適期内収穫を励行する。


[その他の特記事項]
研究課題名:水稲登熟期の異常気象対応技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :昭和63年〜平成元年
発表論文等:第33回東北農業試験研究発表会