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大豆新奨励品種「スズマル」


青森県畑作園芸試験場・畑作部
青森県農業試験場・水田利用部
[部会名] 総合農業
[分科会名]畑作
[分類]  (1)

[成果の内容]
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    1. 本県の早生奨励品種「ワセスズナリ」に比較すると、主茎長、主茎節数は少なく、 分枝数、稔実莢数は多い。
    2. 粒の大きさは百粒重が13.7〜14.3gで小粒に属し、外観品質は「ワセスズナリ」の 「中の中」に対し「中の上」に判定される。
    3. 開花期及び成熟期は「ワセスズナリ」並の「早」に属する。
    4. 子実収量は「ワセスズナリ」に比較し4〜10%多く、「スズヒメ」より22〜38% 多い。
    5. 蔓化や倒伏には「ワセスズナリ」より強い。
    6. ダイズわい化病り病率は「ワセスズナリ」に比較すると低く、わい化病にり病 し難い。
    7. 紫斑粒、褐斑粒及び裂皮粒の発生は「ワセスズナリ」並か少ない。
    表1. 奨励品種決定基本調査結果
    表2. 奨励品種決定現地試験結果
  2. 技術・情報の適用効果
    1. スズマルは小粒として納豆加工適性に優れることから、納豆用大豆として奨励品種に 組み入れることにより品目を拡大し、商品性の高い大豆の生産振興を計ることが できる。
    2. スズマルは収穫期が9月下旬と早く、また密植適応性が高く倒伏しないので多収穫が 可能である。
  3. 適用の範囲
    県下一円
  4. 普及指導上の留意点
    1. 多肥栽培は子実肥大に結びつくので避ける。
    2. 小粒という特性をいかすため、密植栽培が有利である。
    3. ダイズシストセンチュウ抵抗性及び耐湿性が弱と判定されるので、センチュウ発生畑や 多湿田での栽培は避ける。
    4. ダイズウィルス病の防除は「ワセスズナリ」並の防除を行う。


[その他の特記事項]
研究課題名:大豆奨励品種決定調査
予算区分 :国庫補助
研究期間 :昭和59〜平成元年
発表論文等:なし