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新規開発畑における緑肥と鶏糞を用いた低コスト土壌養分富化技術


岩手県立農業試験場・県北分場
[部会名] 総合農業
[分科会名]畑作物
[分類]  (1)

[成果の内容]
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    造成畑や基盤整備畑(以下開発畑と略記)において、ブロイラー鶏糞の施用と緑肥作付・ すき込みを組み合わせて行うことにより、低コストで早期に熟畑化が可能である。
    1. 緑肥の種類、栽培時期、鶏糞施用量別の緑肥の収量・養分含有量及び土壌養分 (すき込み時)は別表(表1)が目安となる。
    2. 鶏糞2〜4t/10a施用・緑肥すき込みにより、レタス・だいこん・スイートコーン・ ブロッコリーの生育・収量は鶏糞無施用・緑肥すき込みに比べ著しくまさる (図12)。
    3. 本技術は従来の熟畑化技術(土壌改良+堆肥施用)に比べ、工程で3日、期間で 約60日多く要するが、リン酸改良材や堆肥などの資材費が低減でき、1ha当り 12万〜21万円の経費節減となる。
  2. 技術・情報の適用効果
    開発畑のおいて、低コストで早期に熟畑化できることにより、野菜などの早期導入が 可能である。また、併せて豊富に産出するブロイラー鶏糞の有効利用が図られる。
  3. 適用の範囲
    表土が黒ボク土壌よりなり、土壌養分の富化が必要な新規造成畑・基盤整備畑
  4. 普及指導上の留意点
    1. 緑肥すき込み後の畑では、タネバエの被害を助長しやすいので、防除の徹底をはかる。
    2. 鶏糞の多施用は初回のみとし、以後は土壌分析にもとづく土壌管理をおこなう。
    3. 生草重2t/10a程度までなら、ロータリー耕によるすき込みが可能であるが、それ以上 では、ボトムブラウによるすき込みが必要である。
    4. 鶏糞多施用で生産した緑肥は、窒素・カリの含有率が高いので、家畜の飼料には 用いない。


[その他の特記事項]
研究課題名:新規開発畑における低コスト地力増強技術の確立
予算区分 :昭和63年度〜平成元年度
研究期間 :県単
発表論文等:なし