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ヒラズハナアザミウマの季節的発生推移とサヤエンドウの被害
青森県農業試験場・環境部
[部会名] 総合農業
[分科会名]生産環境
[分類] (3)
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[成果の内容]
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技術・情報の内容及び特徴
昭和62年〜平成1年に雑草地でのヒラズハナアザミウマ発生数調査と、サヤエンドウ
での産卵被害について調査したところ次のことが明らかになった。
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ヒラズハナアザミウマ成虫は5月下旬〜9月下旬のシロツメクサ開花期間を通して
発生がみられた。
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雑草地での発生数は7月下旬〜8月中旬がピークとなる1山型で、最盛期には
シロツメクサ100頭花当たり2000頭を越える寄生がみられ、夏に密度が低下する
西南暖地と対照的であった(図1)。
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越冬成虫が主体と思われる7月前半までは雌の比率が8〜9割と高かったが、それ以降は
5〜7割で推移した。
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各時期に採集した成虫を野外網室で飼育したところ、6月上旬に採集した個体の生存
日数が35〜52日と最も長く、1雌当たりの産卵数も77〜87個と多かった。7〜8月の
高温期には生存日数が20日前後と短くなり産卵数も減った。9月採集の個体は
生存日数は再び伸びるが産卵数は減りつづけた。
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9月上旬以降に羽化する成虫は休眠に入り、産卵しなかった。休眠成虫は越冬後の
4月中旬から産卵を開始し、産卵開始後の生存日数は、66日、1雌当たりの産卵数は
89個であった。
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サヤエンドウにみられるヒラズハナアザミウマの産卵による被害は年次により
差があるものの7月〜8月に多く、時には8割以上の莢に産卵痕が認められた
(図2)。
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雑草地でのヒラズハナアザミウマ成虫の発生量が多い時期に、サヤエンドウの被害も
多い傾向がみられた。
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技術・情報の適用効果
サヤエンドウにおけるヒラズハナアザミウマ防除のための基礎資料として活用される。
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適用の範囲
県下全域
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普及指導上の留意点
多発生要因等についてさらに検討を必要とする。
[その他の特記事項]
研究課題名:転換畑における高収益野菜の新発生病害虫及び難防除病害虫の
防除法の確立
予算区分 :県単
研究期間 :昭和62年〜平成1年
発表論文等: