研究所トップ≫研究成果情報≫平成元年度
病斑型を異にする非親和性いもち病菌の前接種による葉いもち発病抑制
東北農業試験場・水田利用部・水田病害研究室
[部会名] 総合農業
[分科会名]生産環境
[分類] (3)
-
[成果の内容]
-
技術・情報の内容及び特徴
非親和性のいもち病菌(以下非親和性菌)をイネに前接種すると抵抗性が誘導され、
葉いもちが抑制されることはすでに知られている。ここでは病斑型を異にする
非親和性菌を数種類用いて抑制効果の程度を比較した。
-
非親和性菌前接種による葉いもち発病抑制効果は、供試菌株のいかんにかかわらず
認められるが、病斑を形成しない菌株を前接種した場合は、褐点や停止型小病斑を
形成する菌株を前接種した場合に比較して、抑制効果が低かった。
-
供試菌株の中では、停止型小病斑(bg型)を形成する菌株を前接種した場合の抑制効果が
最も大きかった。
-
非親和性菌前接種による発病抑制程度とイネ品種の圃場抵抗性の強弱とは一定の関係が
認められなかった(表1、
図1)。
-
技術・情報の適用効果
生物機能を利用した葉いもち防除法の開発に有用である。
-
適用の範囲
国・公立試験研究機関
-
普及指導上の留意点
親和性の有無は、いもち病菌のレースとイネ品種の抵抗性遺伝子との組み合わせに
よって決定される。非親和性菌の菌株選定にあたっては、作付品種の抵抗性遺伝子型を
考慮に入れる必要がある。
[その他の特記事項]
研究課題名:いもち病抵抗性の発現様相の解明
予算区分 :経常
研究期間 :昭57年〜平2年
発表論文等:日本植物病理学会東北支部会(平元年9月29日)