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アンモニア処理用稲わら類の収集作業体系
福島畜試・草地飼料部
東北農試・飼料調製研
宮城畜試・草地飼料部・酪農肉牛部
[部会名] 畜産
[分科会名]草地
[分類] (1)
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[成果の内容]
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技術・情報の内容及び特徴
地域及び複合経営内で産出されるわら類の有効利用を図る簡易調製利用技術を確立
するため、わらの形態、作業形態、機材調達方式の各条件を組合せたわら類の
収集作業体系(4体系)の作業性を調査比較し、各体系の能率と特徴、適用条件について
明らかにした。
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収集作業体系は、タイトベーラ体系(I)、ミニロールベーラ体系(II)、ロールベーラ
体系(III)、人力体系(IV)のいずれも可能であるが、作業能率はIII>I>II>IVの順に
高かった。このうちI,IIIは大面積・多量処理に有利で、特にIIIは他の体系に比べ
面積当り作業能率は5~12倍と極めて効果が高かった。又、II,IV体系は少面積、
個別作業向きといえるが、湿潤地では有利な体系であった。
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I,II,IV体系は、当日、集草~貯蔵まで一貫作業するには最低5~6名の組人員が
必要であるが、集草~梱包作業を分離する方式では3~4名の組人員で可能であった。
一方、ロールベール体系はいずれの場合も3名で可能である(以上
図1)。
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軽度の湿田や狭い農道での運搬作業には軽トラック(4WD)の能率が高い。
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無細断わらの回収率は高く、高刈りによりわらを土から高く遊離させると土の
汚染軽減、被雨時の乾燥促進に効果があるのでわら提供者との連携を密にする。
(表1)(表2)
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いずれの収集作業も円滑に行うには、共同作業が効果的で、表に示す機械の
調達方式も合せて、組合せる必要がある。(表3)
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技術・情報の適用効果
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わら類の収集作業の計画性が高まり、作業効率が向上する。
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わら類の組織的収集作業が広まりわら類の有効利用が拡大する。
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適用の範囲
稲わら、麦わら
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普及指導上の留意点
運搬距離及び搬路の条件により作業効率が大きく変化するので、条件に応じ
運搬車数は増減する。
[その他の特記事項]
研究課題名:草地を基盤とした2シーズン放牧方式による寒冷地型肉用牛
生産技術の確立
1)わら類の簡易調製利用技術
予算区分 :地域プロ
研究期間 :昭和61~63年
発表論文等:自給飼料、12:23~32 1989