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リンゴ‘千秋’の芽の大きさと果実品質
秋田県果樹試験場・栽培部・栽培担当
[部会名] 果樹
[分科会名]
[分類] (2)
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[成果の内容]
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技術・情報の内容及び特徴
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2月上旬に花芽の横径を調査し、収穫時の果実重量との関係を調査したところ、
花芽が大きいほど収穫時の果実が大きい傾向が認められ、樹冠外側では
r=0.931※※と高い相関関係がえられた(図1)。
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樹冠内部でも、r=0.847※※と高い相関関係がえられ0.28cm前後の花芽では収穫時の
果実重量が140gに対して0.44cmになると240g程度となり100g程度の差が
認められた(図2)。
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果実重量と糖度(Brix)の関係はr=0.585※で果実は大きいほど糖度は高く、小さいほど
低い傾向が認められたが、350g以上になると、軟化と脂質化が早く、食味は劣った
(図3)。
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現代の嗜好に合った300g以上の大きさの果実生産を維持するには横径が0.4cm以上の
花芽を着生させる必要がある(図4)。
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技術・情報の適用効果
整枝せん定によって受光態勢をよくし、樹冠内部まで光が透入するような樹形づくりで
大玉高品質果生産が図られる。また樹勢が強すぎると芽の充実が悪く小玉の生産が
多くなるので適正樹勢を維持することが大切である。
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適用の範囲
東北
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普及指導上の留意点
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花芽が多い場合弱小芽は鋏で間引くか蕾切りをする。
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早期摘果(花)を励行し着果量を適正にする。特に開花の遅れた花叢はつみとる。
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7月上旬に徒長枝はせん去し、小枝への光の透入をよくする。
[その他の特記事項]
研究課題名:リンゴ‘千秋’の品質向上に関する研究
予算区分 :県単
研究期間 :52〜63年
発表論文等:秋田県果樹試験場研究報告 第20号 東北農業研究 第39号