研究所トップ研究成果情報平成元年度

食用ユリのウィルスフリー化技術


岩手県園芸試験場・野菜花き部
[部会名] 野菜・花き
[分科会名]野菜
[分類]  (1)

[成果の内容]
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    1. 茎頂培養における基礎培地はMurasige & Skoog培地とする。
    2. 添加ホルモンはNAA0.1〜1.0mg/l、BA0.1mg/lとする。
    3. 茎頂は0.3mm程度の大きさのものを摘出、置床し、2000〜3000Lux、16hr、D.L.、 温度22度C前後で培養する。
    4. 育成個体のウィルス検定は、カーボランダム法によりキュウリモザイクウィルス (CMV)、カンキツタターリーウィルス(CTLV)について容易に検定できる。
    表1. 培地の組成と器官分化率
    表2. カーボランダム法によるウィルス検定
    表3. フリー球の生産力
  2. 技術・情報の適用効果
    食用ゆりのウィルスフリー化を目指した培養技術は特に困難な部分もなく、 キュウリモザイクウィルスやカンキツタターリーウィルスについてのみフリーが 確認された個体の生育は旺盛で、球重も培養2年目で非フリー球の1.5倍程度になり 増収する。
  3. 適用の範囲
    県内全域
  4. 普及指導上の留意点
    1. 茎頂を摘出する材料は、大きい球よりもりん片小球(球径1cm程度)を用いた方が 摘出が容易である。
    2. ウィルス検定では、検定植物が汚染されないよう網室内で厳重に管理し、器具や 手の消毒を必ず行う。


[その他の特記事項]
研究課題名:食用ユリの茎頂培養による無病苗の作出
予算区分 :県単
研究期間 :昭和60年〜平成元年
発表論文等:なし