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ウイルスフリー種苗の効率的増殖技術


秋田県農業試験場・園芸畑作部・野菜科
[部会名] 野菜・花き
[分科会名]
[分類]  (3)

[成果の内容]
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    組織培養技術を利用したニンニク・サトイモ・ナガイモの効率的増殖を図る。
    • 供試部位:茎頂(ニンニク・サトイモ)、腋芽を含む茎切片(ナガイモ)
    • 培地:
         ニンニク カルス形成 LS+2,4-D 0.5mg/l+Ki 0.01mg/l
               再分化  LS+NAA 0.2mg/l+BA 2.0mg/l
              (ショ糖 30g/l、寒天 8g/l、pH 6.0)
         サトイモ MS+IAA 0.1mg/l+Ki 0.1mg/l
              (ショ糖 30g/l、液体培地、pH 5.8)
         ナガイモ LS+BA 0.01mg/l
              (ショ糖 30g/l、液体培地、pH 5.8)
    • 培養条件:21度C、1000〜2000Lx、16時間照明、サトイモ・ナガイモでは外植片を 培地に浮かべて静置培養する。
  2. 技術・情報の適用効果
    1. ニンニクはカルスがわずかに形成されるものの、置床した生長点当たり2.9本の 移植可能なシュートが得られる(表1)。
    2. サトイモは異常な生育(シュート基部の肥大)が見られず、発根量が多く直ちに 順化個体が得られる。また、根に付着する寒天を洗浄する必要が無く順化作業が 容易となる(表2)。
    3. ナガイモは腋芽を培養することで3ヵ月で18.5の新たな腋芽を形成し、試験管内で 腋芽による増殖が可能であった(表3)。
  3. 適用の範囲
  4. 普及指導上の留意点
    ニンニクはカルス形成培地で1ヵ月培養したのち、再分化培地へ移床する。


[その他の特記事項]
研究課題名:特産野菜・花きの組織培養による優良無病株養成
予算区分 :県単
研究期間 :昭和60年〜
発表論文等: