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半促成キュウリのブルームレス台木利用技術


宮城県園芸試験場・栽培部・野菜科
[部会名] 野菜・花き
[分科会名]
[分類]  (1)

[成果の内容]
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    1. 播種
      ブルームレス台木は比較的胚軸が細いので、播種は、穂木(キュウリ)より1〜2日早く 行い、茎の太いがっちりしたものに仕上げる。
    2. 定植時の葉齢
      生育が良好で収量が多い2.5葉程度の若苗で定植する。
    3. 土づくり
      根量が少なく、吸肥力がやや弱いので、良質の有機物、土づくり肥料の施用、 深耕及び排水改良等土づくりを十分にする。
    4. 地温の確保
      低温期の伸長性を高めるため、地中加温設備の設置等により適正地温(18〜20度C)の 確保に努める。
  2. 技術・情報の適用効果
    最近、キュウリの新しい台木として、夏秋栽培や抑制栽培でブルームレス台木が 多く使われている。これらの台木は低温期の生育が不安定であるが、半促成栽培 においても総収量及び品質面で優れており、使用可能である。特に低温期の地中加温 による適正地温を確保することで安定した収量が得られる。
  3. 適用の範囲
    キュウリ半促成栽培が可能な地域
  4. 普及指導上の留意点
    1. 老化苗は側枝の発生が少なく、収量が低下するので、若苗で定植する。
    2. あらかじめ、ハウス圃場の土壌診断を行い、施肥量を決める。
    3. 育苗期から病害虫の発生に注意し、特に、うどんこ病は早期防除に努める。
    耕種概要
    表1. 定植後の生育
    表2. 収量及び果実品質
    表3. 地中加温の効果
    図1. 定植時の葉齢別10a当り収量


[その他の特記事項]
研究課題名:キュウリ半促成及び抑制栽培技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :昭和63〜平成元年
発表論文等:第33回東北農業研究(1990.7)