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トマト‘桃太郎’の3段密植栽培法


岩手県園芸試験場・南部分場
[部会名] 野菜・花き
[分科会名]
[分類]  (1)

[成果の内容]
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    1. 密植3段摘心栽培は、本圃栽培期間が慣行の長期どりに比べて約50日短縮され、 10a当り収量が長期どりと同等の5〜6t期待できる。
    2. 摘心段位は3段とする。摘芯は3段花房が開花〜幼果のころに、その上の2葉を残して 早目に行なう。
    3. 10a当り栽植本数は4,400株程度でよい。
      この場合の栽植様式は、畦幅180cm、株間25cm、条間60cmの2条植えとする。
    4. 着果数は各段とも4果とし、それ以上の場合は摘果する。
    5. 適応作型は早熟雨よけ、ハウス抑制とする。
    表1. 収量
    表2. 期間別収量
  2. 技術・情報の適用効果
    完熟系トマト「桃太郎」の生産安定化とハウスの高度利用によって収益の向上が 図られる。
  3. 適用の範囲
    県南部、中南部沿岸
  4. 普及指導上の留意点
    1. トマトの在圃期間が大幅に短縮されることから、前作または後作に冬春野菜、 抑制きゅうり、スターチス、ストック等を導入し、ハウスの高度利用を図る。
    2. 基肥は長期どり栽培に準ずる。窒素追肥は10a当り6kg(1回3kg、2回施肥)程度 とする。
    3. ホルモン処理は各段とも行い、確実に着果させる。
    4. 密植のため葉が繁茂するので、わき芽は早めに摘除する。
    5. 灰色かび病が発生しやすいので、ハウスの換気を図り、早めに薬剤散布をする。 薬剤散布は、株の内側まで薬液が十分付着するように丁寧に行う。
    6. 抑制栽培の場合、苗の生育が早く徒長しやすいので、ハウスの通風を良くし、 早めに鉢広げを行う。また、アブラムシの発生が多い時期であり、防除を励行する。


[その他の特記事項]
研究課題名:完熟系トマト(桃太郎)の生産安定
予算区分 :県単
研究期間 :昭和62〜平成元年
発表論文等:第33回東北農業試験研究発表会