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キュウリのロックウール栽培
福島県農業試験場・野菜部
[部会名] 野菜花き
[分科会名]
[分類] (2)
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[成果の内容]
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技術・情報の内容及び特徴
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キュウリ抑制栽培では、定植時より培地は直射光を受け、33度C以上の高温となり、
側枝の発生が少く、収量が少なくなりやすい。培地を傘がけに黒ラブシートや
シルバーフィルムで遮光すると、培地温度は4〜6度C低下し、生育、収量の減少は
避けられる。
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ランニングコストを低下するため、培地の連用を検討したところ、5作程度なら、
培地のへたりはややあるものの、培地液の浸透は良く、キュウリの生育、収量は
低下しない。カボチャ台に接木栽培を行えばつる割れ病の発生がなく、連用しても
支障がない。
なお、カボチャ台に接木栽培をすると食味低下を招くことがある。
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キュウリは収穫期間を2か月程度で打ち切った方が作りやすい。2か月間の1a当り
収量は早熟栽培で1,000kg(1株73〜91本)、抑制栽培で900kg(1株72〜75本)程度である。
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給液量管理の精度が低い装置を用いる場合は、培地を2段にし(上段に根を張らせ、
下段はナイロンタフタで仕切って根を張らせない)、特に夏季は、やや排液
があるような、1日1株2,000〜3,000ccのやや多目の給液量管理をした方が側枝の
発生が良く、収量が増加する。
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技術・情報の適用効果
ロックウール栽培で、トマト作の間の短期間栽培品目としてキュウリの導入は
可能であり、抑制栽培で1a当り900kg程度の収量が期待できる。
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適用の範囲
全農標準ロックウール栽培装置
ロックウール栽培農家及び導入希望農家
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普及指導上の留意点
・培養液の濃度(EC)の極度の変動及び給液量不足は避ける。
図1. 培地温度の日変化
表1. 培地連用試験規格別収量
表2. 62年度〜元年度平均収量の推移
表3. 培地選定試験規格別収量
表4. 培地選定試験規格別収量
表5. 2段培地の培地内養液成分
[その他の特記事項]
研究課題名:ロックウール栽培技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :昭和61年〜平成元年
発表論文等:平成元年 東北農業研究発表会(福島市)