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早生トルコギキョウの無加温ハウス栽培
宮城県園芸試験場・栽培部・花き科
[部会名] 野菜・花き
[分科会名]
[分類] (1)
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[成果の内容]
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技術・情報の内容及び特徴
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早生種の紫紺源氏は11月から3月まで播種できる。採花期は、11月播種が7月中旬、
3月播種は8月下旬となる。4〜6月播種では開花率が低く、7〜10月播種では心止まり
となり、1〜3本の下位側枝が伸長して開花するが、切花品質が劣る。
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中生種の紫苑は9月から3月まで播種が可能である。なお4月播種は定植時から
30日間シェード処理することで良花が得られる。採花期は9〜12月播種で
7月〜8月上旬、1〜3月播種で8月〜9月上旬、4月播種シェード処理で9〜10月
となる。5〜6月播種では開花率が低く、7〜8月播種では心止まりとなり、
下位側枝が伸長して開花するが、切花品質が劣る。
図1. 播種期と採花期
表1. シェード処理の影響
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技術・情報の適用効果
トルコギキョウは用途の広い切花で、需要が増加しているが、品質による価格差が
大きい。簡易施設栽培における播種適期が明らかになるとともにシェード処理も
加えて良品の9〜10月出荷が可能になり、安定供給が実現される。
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適用の範囲
宮城県下一円
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普及指導上の留意点
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育苗は最低10度C程度以上で行う。本葉1〜2対で2.5号ポリポットに移植し、
2〜3対で定植する。
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最低気温5度Cでロゼット状態となり、-3度Cで生育障害を受けるので、低温期は
最低気温が0度C以下にならないように保温管理を行う。
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シェードは夕方5時から翌朝8時まで行い、9時間日長とする。高温時のシェード
なのでシルバーポリトウ等の内部が高温になりにくい資材を使い、夜間開放する
などして高温を回避する。
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全期間にわたって灰色かび病が多発しやすいので、換気に注意し予防散布を徹底する。
[その他の特記事項]
研究課題名:寒冷地における洋花類の気象生態ならびに土壌水分反応特性の解明と
その利用技術の確立
予算区分 :地域重要新技術
研究期間 :昭和62年〜平成元年
発表論文等:なし