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冷湿条件下における有機質の施用効果
福島県蚕業試験場・栽桑部
[部会名] 蚕糸
[分科会名]
[分類] (2)
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[成果の内容]
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技術・情報の内容及び特徴
冷湿地帯(福島県原町市大みか)において桑の安定多収をはかる手段として有機質の
施用による効果を検討した。
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5年間の収量では対照(無施用)を100とした場合、廃条堆肥(120)、乾燥鶏糞(117)、
豚厩肥(116)、土中堆肥(104)で有機質を施用した試験区が多収であった
(図1)。
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冷湿気象年の昭和63年は、晩秋蚕期の収量が各区とも前年の21〜38%で蚕期別収量も
春蚕期と晩秋蚕期の比率が79:21と大きく変化した。さらに冷湿気象は翌年春蚕期
まで影響を及ぼし、前年同期の59〜71%であった
(図2)。
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冷湿気象の影響に対する軽減効果の大きい有機質資材は廃条堆肥、乾燥鶏糞および
豚厩肥であり、冷湿条件でも安定した収量が得られた
(表1)。
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有機質施用桑の5齢期飼料価値では、対照より優った。
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技術・情報の適用効果
冷湿地帯における桑の安定多収と繭質向上が図られる。
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適用の範囲
冷湿地帯の全域
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普及指導上の留意点
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廃条堆肥はカッターにより4〜5cmに切断し堆肥化する。
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廃条堆肥、乾燥鶏糞、豚厩肥等有機質の施用は11〜12月に畦間に施用し、さらに
土壌改良材を散布後ロータリー耕で攪拌する。
[その他の特記事項]
研究課題名:冷湿条件下における農作物の総合安定生産技術開発研究
予算区分 :県単
研究期間 :昭和60年〜平成元年
発表論文等: