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培養葉条の挿木繁殖法による簡易馴化
山形県蚕業試験場・栽桑部
[部会名] 蚕糸
[分科会名]
[分類] (2)
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[成果の内容]
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技術・情報の内容及び特徴
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剣持の培養葉条:腋芽部ではNAA10ppm・30分、頂芽部ではNAA10ppm・5分の浸漬処理
によって発根と馴化を同時に行う挿木繁殖法により各々93%、95%の個体が活着
した。
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改良鼠返の培養葉条:腋芽部では2芽2葉に調節し、NAA100ppm・1分、頂芽部については
NAA100ppm・30秒の浸漬処理によって剣持と同様に発根と馴化を同時に行い、各々
86%、100%の個体が活着した。
表1. 挿木繁殖法における剣持の培養シュートの生育
表2. 挿木繁殖法における改良鼠返の培養シュートの生育
表3. 挿木繁殖法による培養幼苗の圃場での生育
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技術・情報の適用効果
従来の寒天による発根培養後に馴化を行う手法では、発根培養に30日、馴化に30日の
合計60日を要するが、挿木繁殖法では発根と馴化を30日で終了することが可能である。
また、発根・馴化容器にジフィーポットごと圃場での育苗に移行でき発根から
馴化、馴化から圃場への作業が簡易化される。
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適用の範囲
栽培地域
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普及指導上の留意点
培養開始後2〜3日間は湿度を保つため密閉状態にし、徐々に開放し、7日目に全開
する。
培養土上にはカビが発生しやすいため、特に密閉状態のときには殺菌剤
(トップジンM2,000倍液等)の表面散布が必要である。
[その他の特記事項]
研究課題名:挿木繁殖法による培養葉条の発根・馴化の簡易化に関する試験
予算区分 :県単
研究期間 :昭和60年〜平成5年
発表論文等:東北蚕糸研究報告第13号(1988)