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合成ピレスロイド系殺虫剤の散布方式と飛散距離



福島県蚕業試験場・病理化学部

[部会名] 蚕糸

[分科会名]

[分類]  (2)


[成果の内容]
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    1. 動力噴霧器を用いた手散布で70リットルの散布を行ない、風下の50地点でドリフトを 受け蚕に対する毒性から薬剤の飛散距離を調査した。
      1. 噴口ノズルを下向きにした野菜消毒では風下75mまで死亡蚕が発生した。
      2. 噴口ノズルを上向きにした果樹消毒では風下100mまで死亡蚕が発生した。
    2. スピードスプレーヤで散布を行ない、風下300mまでの71地点でドリフトを調査した。
      1. ファンの全開散布では200mまで半開では150mまで死亡蚕が発生した。
      2. 全開・半開とも、風向きに係わらず100mまでの地点で死亡蚕が発生した。
    3. 大型ガラスハウス(300平方メートル)内で散布した後、換気扇で排気を行い、換気口から風下で、経時的にドリフトを調査した。
      換気口から9mまでの数地点で、換気開始24時間後まで死亡蚕が発生した。
    4. パイプハウス内で散布し、その後通風した時に生じるドリフトを調査した。
      ハウスの開放時にハウスから5m以内の数地点で毒性が認められたが死亡蚕は 発生しなかった(図1図2)。
  2. 技術・情報の適用効果
    薬剤飛散距離から蚕に対する安全距離が得られ、農薬の安全使用により蚕作安定が 図られる。
  3. 適用の範囲
    県下全域
  4. 普及指導上の留意点
    今回のデータは薬剤の飛散距離を求めたものであり、そのまま安全距離としては 適用できない。



[その他の特記事項]

研究課題名:農薬の蚕に対する毒性調査

予算区分 :県単

研究期間 :平成元年〜5年

発表論文等:東北農業研究第42号(1989)