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小麦品種(シラネコムギ)の加工適性



宮城県農業センター・農産部・畑作科

[部会名] 地域水田農業

[分科会名]

[分類]  (2)


[成果の内容]
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    宮城県では小麦の成熟期が梅雨期となり、品質低下が著しいが、シラネコムギは、 加工適性に優れた高品質品種として、平成元年度に宮城県で奨励品種に採用した。 本品種について、自然条件、降雨遮断処理、少照多雨処理で栽培し、加工適性の 指標となるブラベンダー試験を行なった結果、めん用粉としての加工適性が高く、 安定した品質を保つ品種であることが明らかになった。
    ブラベンダー試験の結果は以下の通りである。
    1. シラネコムギのアミログラムの最高粘度は各年次とも高い値を示し、処理間の ばらつきも少なく、平均で895B.U.であり供試品種中最高であった。よって、 シラネコムギは加工適性が高く、品質の変動が小さい品種である。
    2. エキステンソグラム面積では、シラネコムギは70平方センチメートル〜104 平方センチメートルの範囲で平均88平方センチメートルであった。形状係数は 1.22〜2.90の範囲で平均1.88であった。この値は供試品種の中でめん用粉として 最適であり、しかも処理間による差も比較的小さく、品質が安定していることを 示す。
    表1. ブラベンダー試験成績
  2. 技術・情報の適用効果
    高品質小麦の安定生産が可能になり、実需者の要望に応えることができる。
  3. 適用の範囲
    山間丘陵地帯を除く宮城県下全域
  4. 普及指導上の留意点
    良質品種でも刈遅れは品質の低下を招くので、できる限り適期刈取りに努める。



[その他の特記事項]

研究課題名:(1)麦・大豆作付体系における小麦の高品質安定多収栽培法の確立

      (2)宮城県北部平坦地における水田輪作体系の確立

予算区分 :(1)国庫補助 (2)国庫補助

研究期間 :(1)昭和61〜62年 (2)昭和63年〜平成2年

発表論文等:東北農業研究(1989)