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大豆のコンバイン収穫技術



山形県立農業試験場

[部会名] 地域水田農業

[分科会名]

[分類]  (1)


[成果の内容]
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    1. 大豆の収穫作業は、普通型コンバインによる収穫が可能で、収穫適期は、子実・ 莢水分が20%以下で、タチユタカの場合、刈取りは成熟期後おおよそ7日から 遅くとも30日までの間である。また、刈取りに適する時刻はおおよそ11時〜16時頃 であるが、前日の降雨量や当日の天候により変わる。
  2. 技術・情報の適用効果
    1. 大豆のコンバイン収穫は、大豆専用(1条)が作業速度0.5〜0.6m/s、穀粒流量 300〜450kg/hr、大豆専用(2条)が作業速度0.3〜0.4m/s、穀粒流量400〜650kg/hr、 汎用が作業速度1.0〜1.4m/s、穀粒流量が1500〜2500kg/hrの範囲で可能である。
    2. 穀粒損失は、2〜6%程度であるが、大豆が倒伏していたり、さや水分が高い場合は 10%を越える(図1図2)。
    3. コンバイン収穫による損傷粒の発生は、2.0%以下である。
    4. 大豆のコンバイン収穫適応性が高い品種はタチユタカ>スズユタカ=ライデンである。
    5. 子実・莢水分が20%、茎水分が60%を越える大豆のコンバイン収穫は、汚染粒が 発生するため、場合によってはクリーナーによる洗浄が必要である (図3)。
  3. 適用の範囲
    山形県全域
  4. 普及指導上の留意点
    1. ライデン、スズユタカについては、成熟期後日数が経過すると裂皮粒等の被害粒が 増える傾向にあるため、収穫適期幅が短くなる場合がある。
    2. 茎葉水分の多い雑草や青立株が多い場合は、汚染粒の発生を助長するので収穫前に 取り除く。
    3. 倒伏している大豆は、追刈りより向刈りのほうが適している。



[その他の特記事項]

研究課題名:積雪寒冷地帯における水田輪作確立のための高生産技術の確立

予算区分 :経常、地域水田農業

研究期間 :昭和60年〜平成2年

発表論文等:山形県立農業試験場研究報告 予定