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大豆作における倒伏軽減のための培土高



福島県農業試験場

[部会名] 地域水田農業

[分科会名]

[分類]  (2)


[成果の内容]
  1. 技術・情報の内容及び特徴
    1. 主茎長が80cm前後に伸長した多収型大豆(スズユタカ)について、培土高(谷低部から 培土頂部までの高さ)と倒伏の関係を検討した結果、無培土では全面地際より3以上の 倒伏指数で倒伏するが、培土をすることで倒伏が軽減されることを認めた (図1)。
    2. 倒伏を軽減させる培土の高さとしては、15cm以上必要で、20cm程度(第1本葉節までの 高さ)が適当である。15cm以下では極めて倒伏しやすくなる。
    3. 栽植密度を平方メートル当たり14本から9本に減らした場合でも、倒伏に対する 培土高の関係は変わらない(図2)。
    4. 20cm程度の適正培土をすることで、倒伏が軽減されることなどにより登熟期の 葉面積指数が比較的高く保てる(図3)。
    5. 培土高を20cm程度にした場合の収量性は、稔実莢数が多く、それ以下の培土高に比べ 生産性が高い。また、培土高をそれ以上にしても生産性の向上はみられない (図4)。
  2. 技術・情報の適用効果
    倒伏と培土高との関係を明らかにすることで、培土の技術指導がより具体的で容易に なる。
    適正な培土高にすることで、倒伏の軽減が図られ、生産性の向上、収穫作業精度の 向上が図れる。
  3. 適用の範囲
    対象品種を「スズユタカ」とする。
  4. 普及指導上の留意点
    1. 適期に培土を行う。
    2. 株元まで土を寄せる。
    3. 普通型コンバインで収穫する場合は、培土高がやや高いので畦幅をクローラ幅に 予め合わせておくとともに、培土高の均一化に努める。



[その他の特記事項]

研究課題名:汎用コンバイン導入のための大豆栽培法の改善

      スズユタカの極多収技術の確立

予算区分 :国庫助成、県単

研究期間 :昭和62年〜平成元年

発表論文等:なし