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極小粒大豆奨励品種「コスズ」
福島県農業試験場・種芸部・畑作研究室
[部会名] 総合農業
[分科会名]畑作物
[分類] (1)
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[成果の内容]
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技術・情報の内容及び特徴
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本品種は良質な納豆用品種として茨城県で奨励品種となっている「納豆小粒」に
昭和54年に放射線を照射し、東北農試栽培第2部作物第3研究室において選抜・固定が
はかられ、昭和62年に「大豆農林87号」として育成された。
本県では昭和62年から奨励品種決定調査を実施した。
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主茎長は約100cm前後で、「納豆小粒」よりやや短い。主茎節数、分枝数は少ないが、
稔実莢数は多い。子実は球形の白目で、百粒重は9〜11gである。
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開花期、成熟期が「納豆小粒」より約10日早い中生である。晩播による熟期の遅れは
小さい。
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子実重は標播で295kg/10aで、「納豆小粒」と同程度である。極晩播(7月上旬)でも
200kg/10aの収量が得られる
(表1, 表2)。
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中通り、浜通りで褐斑粒が少ない(表3)。
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技術・情報の適用効果
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晩播による熟期の遅れが少なく、子実重200kg/10a以上の生産性が確保できることから、
麦-大豆体系への導入も可能である。
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納豆用大豆は粒大が小さいほど良いため、登熟期間が冷湿で子実が小粒化しやすい太平洋沿岸部、および県内の山間高冷地(標高600m以下)で地域特産大豆となることが
期待できる。
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銘柄区分Iに組み入れられることで栽培農家の所得向上に寄与できる。
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適用の範囲
中通り・浜通りの平坦部、県内山間部
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普及指導上の留意点
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普通大豆に比べて倒伏しやすいので、基肥の多用をさけ、中耕培土を励行する。
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ダイズシストセンチュウに弱いため、センチュウ発生圃場での作付けを避ける。
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ウイルス病抵抗性が不十分なため、アブラムシ防除を徹底する。
[その他の特記事項]
研究課題名:大豆奨励品種決定調査
予算区分 :昭和62年〜平成2年
研究期間 :経常(国1/2 県1/2)
発表論文等:なし