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無エルシン酸なたね新品種「キザキノナタネ」
東北農業試験場・作物開発部・資源作物育種研究室
[部会名] 総合農業
[分科会名]畑作物
[分類] (1)
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[成果の内容]
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技術・情報の内容及び特徴
キザキノナタネは昭和54年度東北農業試験場が無エルシン酸、草型良、耐病性、
多収を目標として「東北72号」を母、「Rapora」を父として交配し、選抜を固定を
図ってきたもので、昭和62年度より「東北84号」として試験に供してきたものである。
平成2年度に青森県が奨励品種に採用。
本系統は、なたね油を構成する脂肪酸組成のうち、エルシン酸を含まない我が国
初めての優良系統で、草丈はやや高いが、菌核病や耐雪性、耐倒伏性の点で強く、
また収量性で優れている。平成2年11月なたね農林47号として農林登録された。
「キザキノナタネ」の特性一覧表
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技術・情報の適用効果
キザキノナタネは中晩生で青森県の奨励品種「カミキタナタネ」とほぼ同じで、
「トワダナタネ」より早い系統で青森県における越冬性はこれら品種と同等である。
草丈は「カミキタナタネ」より高いが耐倒伏性強く収量性は特に優れている。
また、食用油の条件とされている無エルシン酸の特性を有するので、消費者、
実需者、農家の要望に答えることが出来る。
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適用の範囲
北東北の平坦地帯。
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普及指導上の留意点
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なたねと交雑可能なアブラナ植物から十分離して栽培すること。
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種子は無エルシン酸であることを保証したものを使用すること。
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耐倒伏性は強いが過度の多肥栽培は倒伏、菌核病の多発を招く恐れがあるので避ける。
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越冬前に十分な生育量を確保するため適期播種を励行すること。
[その他の特記事項]
研究課題名:なたね新品種育成
予算区分 :育種強化−グリーンエナジー計画−経常
研究期間 :昭和54〜平成元年度
発表論文等:奥山善直ほか3名. (1991). なたね新品種「キザキノナタネ」. 農業技術46(6) : 285