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コンピュータによる登熟診断・予測技術(ササニシキ)
山形県立農業試験場・生物・情報工学部
[部会名] 総合農業
[分科会名]生産環境
[分類] (2)
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[成果の内容]
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技術・情報の内容及び特徴
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穂揃期以降任意時期における水稲ササニシキの登熟診断予測システムを開発した。
予測処理は、登熟機関の籾重増加を乾物生産モデル等
(表1)によりシミュレートする部分と、その結果を
受け登熟程度を推定する部分(表2)
で構成されている。
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予測項目は、刈取時期、登熟歩合、玄米粒数歩合(粒圧1.8mm以上)、上米歩合
(粒圧1.8、1.85、1.9mm以上)である。
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予測精度は、刈取時期、登熟歩合、玄米粒数歩合で高く、上米歩合でやや高い。
表3 システム運用に必要なデータ
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技術・情報の適用効果
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予測日以降の気象条件は、日照時間を平年対比40〜120%まで20%刻み5段階、
日平均気温を平年並、平年-2度C、平年2+度Cの3段階に設定できる。
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幅広い気象条件のもとで刈取時期が予測できるため、収穫作業の計画化指導を
支援することができる。
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幅広い気象条件を付与した登熟歩合・玄米粒数歩合予測により、高品質米生産のための
適正生育量確保指導を支援することができる。
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上米歩合の予測結果は、玄米調整作業の指導参考資料として用いることができる。
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適用の範囲
山形県内平坦ササニシキ地帯
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普及指導上の留意点
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予測に必要なデータは表3のとおりである。
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アメダス気象データは農業試験場の提供するファイルを用いる。
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サンプリング誤差により、予測誤差が増大される場合があるので、
平均株の調査に留意する。
[その他の特記事項]
研究課題名:農林業技術情報システムの開発 ア)水稲登熟診断予測技術の確立
予算区分 :経常
研究期間 :昭和63年〜平成2年
発表論文等:一部 東北農業研究43巻 31-32