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既成アスパラガス畑の下層土改良による生産力増強対策
福島県農業試験場・農芸化学部・土壌管理研究室
[部会名] 総合農業
[分科会名]生産環境
[分類] (2)
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[成果の内容]
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技術・情報の内容及び特徴
本県におけるアスパラガスの栽培面積は年々増加しているが、既成畑における生産性の
低下が指摘されている。
そこで、既成アスパラガス畑において、土壌養分の改良を図ってペースト肥料を
根域に潅注する効果と、トレンチャーによる下層土改良効果を検討した
(図1)。
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両試験地とも、表層施肥に代えて成分でほぼ同量の高度化成ペースト肥料を主根域
(15-20cm)に潅注施肥することにより、茎葉繁茂量、若茎収穫量が増加した
(表1)。
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下層が礫質で養分が流亡しやすくpHが低い礫質灰色低地土では、石灰、リン酸の潅注
による土壌改良によって茎葉繁茂量、若茎収穫量が大幅に増加し、その効果は2年間
維持されていた。トレンチャー改良は効果が小さかった
(図2)。
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淡色黒ボク土におけるトレンチャー改良は処理後の茎葉繁茂量が少なく、翌年の
若茎収穫量も対照区並みであったが、その後若茎収穫量が徐々に増加する
傾向にあった。また潅注施肥を組み合わせることで大きな増収効果が認められた。
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技術・情報の適用効果
潅注施肥は収量性の高い圃場でも導入効果が期待でき、トレンチャー処理と
組み合わせることで一層効果的である。砂質土壌等の養分保持能力の小さい圃場では
塩基やリン酸の潅注による改良が有効である。
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適用の範囲
福島県下全域
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普及指導上の留意点
事前に下層土の土壌分析を行い根域に補給すべき養分を検討することが望ましい。
[その他の特記事項]
研究課題名:アスパラガス畑の下層土改良と施肥改善試験
予算区分 :国庫1/2
研究期間 :昭和63年〜平成2年
発表論文等:なし