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ニンニクに発生したネギアザミウマについて
青森県農業試験場・環境部、青森県畑作園芸試験場・環境部
[部会名] 総合農業
[分科会名]生産環境
[分類] (3)
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[成果の内容]
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技術・情報の内容及び特徴
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被害の様相
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本種が寄生しているニンニクのりん片貯蔵葉表面は褐変し、凹凸のあるサメ膚状と
なっていた。
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接種による被害症状の再現
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保護葉を除去後、本種を接種すると、最初りん片の貯蔵葉表面に微小な隆起点が
生ずる。これは産卵を受けたことによるりん片の過敏感反応と考えられる。この
隆起点は後に褐変する。
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接種11日目頃からは幼虫が多数発生し、りん片表面の吸汁加害痕は褐変し始める。
この吸汁加害痕は日数の経過とともに褐変程度が高くなり、最終的には凹凸のある
サメ膚状となる(表1)。
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保護葉のあるりん片に接種すると、外見上保護葉の隙間がないと思われる場合でも
保護葉内に侵入し、加害・増殖した。しかし、保護葉が密着している貯蔵葉の曲面部が
加害されることはほとんどなく、被害は平坦部に集中した
(表2)。
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以上のように、接種により容易に被害症状を再現することができた。
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本種はニンニクの害虫として既に記録されているが、収穫後のニンニクりん球内に
侵入し加害することは知られていなかった。
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同定
本種は1990年11月10日、農林水産省 蚕糸・昆虫農業技術研究所 虫害研究室
宮崎昌久室長によりネギアザミウマ(Thrips tabaci Lindeman)と
同定された。
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発生実態
今のところ発生実態は不明であるが、西津軽郡森田村、南津軽郡常磐村、黒石市、
三沢市、十和田市、上北郡六戸町、同郡七戸町、三戸郡五戸町、同郡田子町、
同郡新郷村、同郡倉石村のニンニクから本種とその被害が確認された。
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技術・情報の適用効果
本種の発生と被害の特徴が明らかになり、発生実態の把握が容易となる。
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適用の範囲
青森県内全域のニンニク産地
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普及指導上の留意点
なし
[その他の特記事項]
研究課題名:病害虫発生予察試験(農業試験場)
野菜・畑作害虫の発生実態と防除(畑作園芸試験場)
予算区分 :県単
研究期間 :平成2年
発表論文等:なし