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ミラートラップによるコナガの発生消長調査法
宮城県園芸試験場・環境部・病害虫科
[部会名] 総合農業
[分科会名]生産環境
[分類] (2)
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[成果の内容]
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技術・情報の内容及び特徴
沖縄農業試験場で考案されたミラートラップによるコナガ成虫の補足消長は、
性フェロモントラップでの捕捉消長や、圃場の幼虫・蛹の発生消長とほぼ一致し、
発生消長調査に使用でき、コナガの成虫は3月中旬から認められ、盛期は
6月中旬〜7月中旬であった。
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使用方法
ミラートラップは3号缶(直径75mm高さ110mm)に金竜スプレーを吹き付けたもので、
圃場に作物とほぼ同じ高さになるように杭を立て、缶を逆さに挿して数か所設置する。
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特徴
ミラートラップに捕捉されるのは、雄が多く雌:雄はほぼ1:4である。また、圃場内に
設置したミラートラップの設置場所による捕捉成虫数の差は認められない。
コナガがミラートラップに捕捉される理由は明らかでない。
図1 コナガの発生消長
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技術・情報の適用効果
ミラートラップを使用することで簡易に、しかも性フェロモンとラップより安価に
コナガの発生消長を把握することが可能になり、防除適期の把握に利用できる。
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適用の範囲
東北一円
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普及指導上の留意点
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ミラートラップによる捕捉数と圃場の幼虫・蛹数との相関は年次変動が大きく、
現時点では、本法を利用してコナガの要防除水準を策定することはできない。
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コナガのほかに、他の昆虫類、ごみ等が付着するので、1週間おきに付着物を取り除き
金竜スプレーを吹き付ける。
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汚れが目立つようになったら、缶を取り替えるが、ガソリン等で洗浄することにより
再利用ができる。また、調査能率向上のため、缶詰缶にアルミホイルを巻き付け、
金竜スプレーを吹き付けたものを利用しても同様の効果を得られる。
[その他の特記事項]
研究課題名:アブラナ科野菜鱗翅目害虫の生態解明と防除法の確立
予算区分 :県単
研究期間 :昭和61年〜平成2年
発表論文等:日本昆虫学会東北支部第34回大会で発表
第42回北日本病害虫研究発表会で発表