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イネ苗立枯細菌病が発生した育苗箱苗の処置
山形県立農業試験場・病理昆虫部
[部会名] 総合農業
[分科会名]生産環境
[分類] (1)
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[成果の内容]
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技術・情報の内容及び特徴
発病程度の異なる苗を移植してその生育及び保菌状況を調査した結果次のことが
明らかとなった。
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第2葉鞘及び葉身基部が黄化した発病苗を移植したところ、14.3%〜42.0%は
ほとんど活着せず枯死した(表1)。
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枯死しないで残った発病苗の初期生育は明らかに劣った
(表1)。
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無病徴苗の移植では、健全苗移植の生育と外観上差は認められなかったが、移植前の
無病特苗からの菌の分離を行ったところ5〜70%の割合で菌が検出された
(表2)。
以上のことから本病が発生した育苗箱苗は全量破棄すべきである。
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技術・情報の適用効果
育苗箱における本病の発生が箱全体に及んでいないと見られる場合被害部分を除去
して移植して良いかどうかが現場における差し迫った問題となる。本病の発生を見た
場合は初確認の時点で別途苗の手配にあたることが肝要である。本病の本田での
伝染環に関する知見は少ないが、苗からの伝播も否定できず、蔓延の
未然防止のためにも重要な措置と考えられる。
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適用の範囲
東北地域
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普及指導上の留意点
イネもみ枯細菌病による障害苗も本病と類似の症状を示す。その場合でも発生した
育苗箱は廃棄処分する。
[その他の特記事項]
研究課題名:育苗期に発生する種子伝染性イネ細菌病の制御技術の開発
予算区分 :地域バイテク
研究期間 :平2〜4年
発表論文等:日本植物病理学会東北部会 1990